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アパレル業界におけるワイドポケットとは?

アパレル業界の分野におけるワイドポケット(わいどぽけっと、Wide Pocket、Poche large)は、一般的なポケットよりも横幅が広く設計されたポケットのことを指します。ワークウェアやアウトドアウェアに多く見られ、機能性を重視した収納力に加え、デザイン上のアクセントとしても用いられます。近年ではファッション性を高めたデザインとしてストリートやミリタリーテイストのコーディネートにも取り入れられ、多様なスタイルに対応する要素として注目されています。

ワイドポケットの定義と特徴

ワイドポケットとは、その名の通り横幅が広い形状を持つポケットを意味します。従来の標準的なポケットよりも横長で、収納力に優れる点が大きな特徴です。ポケットとしての機能性だけでなく、服全体のシルエットや印象を左右する装飾的要素としても重要な役割を果たします。

このデザインは主に、シャツ、パンツ、ジャケット、アウターなどに用いられ、特にユーティリティウェアやワークスタイルのアイテムに多く採用されています。ワイドポケットは「幅広ポケット」や「オーバーサイズポケット」とも呼ばれ、機能性と視覚的な個性を両立するデザインとして多くのブランドに支持されています。

語源と歴史的背景

「ワイド(Wide)」は英語で「広い」、「ポケット(Pocket)」は「小さな袋状の収納部」を意味し、「ワイドポケット」は文字通り「横幅が広い収納部」という意味になります。フランス語では「Poche large(ポッシュ・ラルジュ)」と訳され、作業着や軍服を起源とするユーティリティファッションの文脈でも使用されます。

ワイドポケットのルーツは、20世紀初頭のワークウェアや軍用服にあります。物資を持ち歩く必要がある労働者や兵士のために、収納性と機能性を高めたデザインが生まれ、その中に登場したのがこのワイドポケットです。当時はツールや弾薬などを収めるために使用されていました。

現在の使われ方とファッション的意義

現代のファッションでは、ワイドポケットは単なる実用的機能を超え、デザインの主役となることもしばしばあります。特にミリタリー、アウトドア、ストリート系のアイテムにおいては、存在感のあるワイドポケットがアクセントとして配置され、男らしさやタフさ、実用性を演出する手段となっています。

例えば、カーゴパンツに施されたワイドポケットは、収納のための機能を果たすだけでなく、ラフで無骨な印象を与えるスタイルの要として重要です。また、アウターの胸部や腹部に大きく配されたワイドポケットは、視覚的にも動きのあるデザインとなり、コーディネートの中心に位置づけられます。

素材や縫製における工夫

ワイドポケットは大きさゆえに、生地の耐久性や縫製技術も重要な要素となります。負荷がかかりやすいため、ダブルステッチやリベット補強などが施されることが多く、デザイン的にも無骨さやクラフト感を強調する一因となっています。素材としては、キャンバス、ツイル、ナイロン、コーデュラなど、耐久性に優れたファブリックが好まれます。

近年のトレンドとの関係

ワイドポケットは近年のオーバーサイズ・ユーティリティトレンドとも相性が良く、ビッグシルエットのジャケットやパンツ、シャツのデザイン要素として頻出しています。とくにZ世代やミレニアル世代のファッションにおいては、利便性だけでなく“抜け感”や“外し”を演出するためのエッセンスとして使われています。

また、ジェンダーレスなファッションの広がりに伴い、レディースアイテムにもワイドポケットが採用されるケースが増え、可愛らしさと実用性を両立させる工夫として注目を集めています。

まとめ

ワイドポケットはその機能性と装飾性のバランスから、アパレルデザインにおいて多様な用途を持つ要素です。ルーツはワークやミリタリーにありながら、現代ではファッション性を高めるアクセントとして進化を遂げています。収納力、視覚的な主張、トレンドとの融合といった複合的な魅力から、今後もさまざまなスタイルでの活用が期待されるディテールのひとつです。

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