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アパレル業界におけるアンサンブルとは?

アパレル業界の分野におけるアンサンブル(あんさんぶる、Ensemble、Ensemble)とは、トップスと羽織りものなど、複数の衣服をセットでコーディネートしたスタイルや商品を指します。代表的な例としては、同素材・同色のニットカーディガンとノースリーブのニットトップスの組み合わせなどがあり、調和の取れた着こなしが簡単に完成する利便性が魅力です。英語・仏語ともに“Ensemble”と綴られ、もともとは「調和した集合体」という意味があり、服飾においては視覚的な統一感を意識したセットアップ的なスタイルを表現する用語として使われています。

アンサンブルの定義と特徴

アンサンブルとは、二つ以上の衣類をひとつのスタイリングとして合わせたセットを指し、主にレディースファッションで多用される用語です。特に有名なのは、カーディガンとインナー(たとえばノースリーブニットや半袖トップス)の組み合わせで、同素材・同系色で作られることが多く、統一感のある洗練された印象を与えます。

アンサンブルの魅力は、コーディネートの完成度があらかじめ設計されている点にあります。セットで着用することにより、色合わせや素材感の調和が取れ、簡単に上品な着こなしが可能となります。また、それぞれ単品でも使えるため、着回し力の高いアイテムとして重宝されています。

言葉の由来と歴史的背景

「アンサンブル(Ensemble)」という言葉は、フランス語で「一緒に」「集合体」を意味し、英語でも同様に“Ensemble”と表記されます。もともとは音楽や演劇の分野で「合奏」「調和したグループ」として使われていた言葉が、ファッションの分野に応用されたものです。

服飾用語としてのアンサンブルは、20世紀初頭のフランスやイギリスの女性たちの間で広まりました。特に1930年代には、上流階級の女性のラウンジウェアや外出着として、ニットのカーディガンとプルオーバーのセットが流行し、ココ・シャネルをはじめとする多くのデザイナーが取り入れました。

日本では、戦後の百貨店文化の中でフォーマルかつ上品なスタイルとして普及し、特に1960?1980年代には、おしゃれ着や通勤着としての地位を確立しました。現在では、若い世代から年配層まで幅広く支持されるスタイルとして定着しています。

現代の使われ方とスタイリング

現代において、アンサンブルは、トレンドに左右されず安定した人気を誇るコーディネート方法の一つです。特にオフィスカジュアルやセレモニースタイルとして、清潔感ときちんと感を演出する手段として重宝されています。

また、近年ではカーディガン+インナーだけでなく、ジャケット+トップス、シャツ+ベスト、パーカー+ロンTなど、多様なバリエーションが「アンサンブル」として展開されるようになっています。色や柄の統一感を持たせながら、素材やシルエットに変化をつけて立体感を演出するスタイルも人気です。

気温差がある季節や室内外での温度調整が必要な場面でも、アンサンブルは機能性と美しさを両立させるコーディネート手法として活躍します。ファッション性と実用性を両立する点で、今後も継続的に支持されることが見込まれています。

まとめ

アンサンブルは、複数の衣服を統一感あるスタイルとしてセットアップする服飾用語であり、その語源には「調和」や「一体性」の意味が込められています。20世紀初頭にヨーロッパで生まれたスタイルは、日本でも広く定着し、今日ではカジュアルからフォーマルまで活用されています。着る人の年齢やシーンを問わず、洗練された印象を与えるアンサンブルは、現代のワードローブにおいて欠かせない存在となっています。

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