ビジプリ > アパレル業界用語辞典 > 【ブークレー素材】

アパレル業界におけるブークレー素材とは?

アパレル業界の分野におけるブークレー素材(ぶーくれーそざい、Boucle Fabric、Tissu boucl?)とは、表面に輪状の糸が無数に浮き出るように織られた、生地に立体感と豊かな表情をもたらす素材のことを指します。「ブークレー」はフランス語で「巻き毛」「輪になった糸」という意味を持ち、見た目や手触りに独特のふくらみと柔らかさがあることが特徴です。ジャケットやコートなどに使用されることが多く、高級感と暖かみを兼ね備えた素材として知られています。クラシカルな印象を与える一方で、近年ではモダンなアイテムにも積極的に取り入れられています。

ブークレー素材の定義と特徴

ブークレー素材とは、撚り合わせた複数の糸のうち、一部の糸を緩くしたり、わざと緩めて織り込むことで輪状のループを表面に作り出す生地のことを指します。このループが不規則に浮き上がることで、モコモコとした柔らかな質感が生まれます。

一般的にウールやアクリル、ナイロンなどの合成繊維を使用し、保温性と軽量性を兼ね備えているため、秋冬物のアウターやスーツ素材として多用されます。また、視覚的にも立体感があり、シンプルなデザインでも豊かな表情を演出できるのが大きな魅力です。

言葉の由来と歴史的背景

「ブークレー(Boucl?)」という言葉は、フランス語で「カールした」「巻き毛のような」という意味に由来しています。その名の通り、糸がカールしてループ状になっていることが最大の特徴で、もともとはヨーロッパの手織り文化の中で生まれました。

20世紀半ば、特に1950?60年代にかけて、シャネルのツイードジャケットでこの素材が注目を集め、エレガントで洗練されたレディースファッションの象徴として定着しました。特にモード界では、ブークレー素材の凹凸感が光の反射を和らげ、深みのあるトーンを表現する効果があるとして重用されました。

当初は高級素材として扱われていましたが、近年では技術の進化により、ポリエステルなどを用いた手頃な価格のブークレーも登場し、量産向けファッションにも浸透するようになっています。

現代の使われ方とスタイリング

現在のアパレル業界において、ブークレー素材は、クラシックとモダンを融合させたスタイルとして再注目されています。代表的なのは、テーラードジャケットやノーカラージャケット、コートといったアウター類で、柔らかなシルエットと女性らしさを演出する素材として多用されています。

また、ループのある独特な表面感から、シンプルなデザインでも華やかに見えるため、トップスやワンピースにも応用され、特にオフィスカジュアルやセレモニースタイルに適しています。さらに、ブークレー素材の凹凸は肌との接地面積が少ないため、見た目以上に軽く、着心地も快適です。

小物やバッグ、帽子などのアクセント使いにも採用されており、視覚的な変化を与える素材として幅広い分野で活用されています。また、サステナブル素材として再生繊維や廃棄糸を用いたブークレーも登場しており、環境への配慮を意識したファッション素材としての側面も注目されています。

まとめ

ブークレー素材は、糸のループが生む独特の質感と立体感を持った温かみのある生地であり、クラシックな魅力と現代的な感性の両方を併せ持っています。1950年代のオートクチュールを経て、今日では日常着からフォーマル、アクセサリーに至るまで幅広く応用されるようになりました。その高い装飾性と機能性により、今後も多様なアイテムでの活用が期待される素材です。

▶アパレル業界用語辞典TOPへ戻る

↑ページの上部へ戻る

ビジプリの印刷商品

ビジプリの関連サービス