アパレル業界におけるサスペンダーとは？
アパレル業界の分野におけるサスペンダー（さすぺんだー、Suspenders、Bretelles）とは、パンツを肩から吊るして固定するための帯状アクセサリーで、ゴムや布、レザーなどで作られたストラップを用います。肩にかけてズボンを吊り下げる構造により、ウエストを締め付けずにボトムスを保持することができるため、快適さとクラシックな雰囲気を兼ね備えたアイテムとして知られています。特にスーツスタイルとの相性が良く、フォーマルな装いに上品さを加えるアクセントとして現代でも愛用され続けています。
サスペンダーの定義と特徴
サスペンダーとは、パンツのベルトループに代わって肩から吊るすことでボトムスを支える道具で、主にY字型またはX字型の形状をしています。調整可能なストラップと留め具（クリップまたはボタンタイプ）で構成され、ウエストを締め付けることなく、パンツの位置を安定させることが可能です。
素材は伸縮性のあるゴムや布、革などが主に使われ、金具や革パーツによってデザイン性が加えられる場合も多く、実用性とファッション性の両面を兼ね備えています。パンツのズレを防ぐとともに、上半身とのバランスを取ったスタイルアップ効果も期待されます。
言葉の由来と歴史的背景
「サスペンダー（Suspenders）」という名称は、英語の「Suspend＝吊るす」に由来し、その名の通りパンツを吊るす道具です。フランス語では「Bretelles（ブレテル）」と呼ばれ、19世紀初頭から存在していたとされます。
現在の形に近いサスペンダーは1820年代にイギリスで誕生し、エレガントな紳士服に不可欠なアイテムとして定着しました。当初は下着のようにシャツの下に隠して着用するもので、ウエストベルトが主流となる前の主なパンツ固定手段でした。
20世紀に入り、アメリカを中心にベルトの普及とともに一時的に衰退しますが、クラシック回帰の動きやファッション性の再評価により、再び注目されるようになりました。特にフォーマルな装い、たとえばタキシードスタイルにおいては今も重要なアクセサリーとされています。
現代の使われ方とスタイリング
現代において、サスペンダーは、クラシカルなスーツスタイルやビンテージファッションの象徴として人気を集めています。ビジネスシーンでは、シャツにサスペンダーを合わせた英国風の正統派スタイルが取り入れられ、ベストやジャケットとの相性も抜群です。
また、カジュアルファッションやユニセックススタイルでも、デザイン性の高いサスペンダーが活用されています。デニムパンツやショートパンツに合わせて、遊び心のあるアクセントとしてコーディネートに変化を加えることができます。
近年ではカラーや素材、金具の装飾にバリエーションが見られ、ファッション小物としての位置づけも強くなっています。ユニフォームやコスプレアイテムとしても定番であり、性別や年齢を問わず幅広く活用されています。
まとめ
サスペンダーは、ボトムスを肩から吊ることで安定させるクラシックな機能性アイテムです。その歴史は19世紀初頭のヨーロッパにさかのぼり、今もなおフォーマルからカジュアルまで多様なスタイルで取り入れられています。機能性・快適性・デザイン性を兼ね備えたアクセサリーとして、サスペンダーは現代のファッションシーンにおいても独自の魅力を放ち続けています。
