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アパレル業界におけるジャガード織とは?

アパレル業界の分野におけるジャガード織(じゃがーどおり、Jacquard weave、Tissage jacquard)とは、専用のジャカード織機を用いて、織りの構造によって模様や柄を表現する技法であり、プリントとは異なり生地そのものに装飾性を持たせることができます。複雑な文様や立体感のある柄を精密に表現できるため、高級感や独自性の高いファッション素材として用いられています。ドレスやジャケット、バッグ、インテリアファブリックに至るまで幅広く活用されており、クラシカルかつ芸術的な装飾性を持つ素材として評価されています。

ジャガード織の定義と特徴

ジャガード織とは、織りの構造そのもので柄や模様を生み出す技術であり、プリントや刺繍とは異なり、生地の織り糸の組み合わせでデザインが表現されます。ジャカード織機を使用することで、緻密で立体的な模様を自由に織り出すことができ、高級感や重厚感を演出できるのが大きな特徴です。

この織物は、糸の浮き沈みを制御することで複雑なパターンを形成し、花柄や幾何学模様、動植物のモチーフなど、芸術性の高いデザインを織り込むことが可能です。素材はコットン、シルク、ウール、ポリエステルなど多様であり、光沢感や厚みによって印象が大きく変化します。

言葉の由来と歴史的背景

「ジャガード(Jacquard)」という名称は、19世紀初頭にフランスの発明家ジョゼフ・マリー・ジャカール(Joseph Marie Jacquard)によって考案された自動織機に由来します。この織機は、パンチカードによる制御で織り柄を自動化することに成功し、織物製造に革命をもたらしました

それ以前は、複雑な模様の織物を作るには手織りでの膨大な作業が必要でしたが、ジャカード織機の登場により、大量生産と精密なデザインの両立が可能になりました。この技術は産業革命とともに急速に広まり、高級織物の代名詞として欧州を中心に人気を集めました。

現在でもその技術的原理は変わらず、コンピュータ制御に進化した現代のジャカード織機でも、伝統的な構造美と高度な技術が継承されています。

現代の使われ方と応用

現代のファッション業界では、ジャガード織ラグジュアリーな質感を求められる場面で広く使われています。特にウィメンズ・メンズ両方のドレスやジャケット、スカート、パンツなど、フォーマルやセミフォーマルの衣装に用いられることが多いです。

また、立体感や独特の陰影を持つため、ブランドのアイコン的な生地としても多く取り上げられ、バッグやシューズなどのアクセサリーに採用されることもあります。さらに、インテリアファブリックとしてカーテンやクッション、椅子張りなどに使われることも多く、装飾性と耐久性の高さが評価されています。

色糸を組み合わせた多色使いやメタリック糸の使用により、季節感やモード感を演出する素材としても注目されており、シーズンごとのコレクションに合わせて多彩なデザインが展開されています。

まとめ

ジャガード織は、織りで模様を生み出す高い技術と芸術性を兼ね備えたファブリックであり、その起源は19世紀フランスの革新的な織機にあります。現在でもその魅力は失われることなく、伝統とモダンの融合を象徴する素材として、アパレルからインテリアまで幅広い分野で愛用されています。精密な美しさと豊かな表現力をもつこの技法は、今後も時代を超えて支持され続けるでしょう。

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