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アパレル業界におけるドルマンスリーブとは?

アパレル業界の分野におけるドルマンスリーブ(どるまんすりーぶ、Dolman Sleeve、Manche Dolman)は、肩から袖にかけて身頃と一体化しており、袖ぐりが深く、手首に向かって細くなる独特な形状の袖のことを指します。リラックス感のあるシルエットを生み出しつつ、動きやすさや体型カバー効果があり、カジュアルからエレガントまで幅広いスタイルに採用されるデザインです。

ドルマンスリーブの構造とデザイン的特徴

ドルマンスリーブは、身頃と袖が一体化したパターンで構成されるため、通常のセットインスリーブと比べて縫い目が少なく、滑らかなシルエットが特徴です。袖口に向かって細く絞られるため、ゆったりとした印象を与えつつも、腕や肩回りを美しく見せる効果があります。

着心地がゆったりしており、動きやすいため、リラックス感のあるデイリーウェアや、エレガントなドレープ感を活かしたワンピースやブラウスなどにも多く用いられています。体型を問わず着こなせるため、年齢層を問わず人気のあるデザインです。

言葉の由来と歴史的背景

ドルマンスリーブの語源は、トルコの「ドルマン(dolman)」という軍服に由来しています。ドルマンは18世紀から19世紀にかけて、オスマン帝国の軍人が着用していたゆったりとした袖の付いた上衣であり、そのデザインが西洋ファッションに取り入れられる中で、袖の構造が特徴として独立し「ドルマンスリーブ」と呼ばれるようになりました。

19世紀のヨーロッパでは婦人服の中でこのスリーブデザインが取り入れられ、特にヴィクトリア朝時代にエレガントで格式のある衣装の一部として流行しました。その後20世紀に入り、特に1940年代のアメリカにおいて、優雅で洗練された女性像を演出するディテールとして人気を集めました。

現代ファッションにおけるドルマンスリーブの位置づけ

現代のアパレル業界では、ドルマンスリーブはリラクシングウェアやオフィスカジュアル、パーティードレスまで幅広く用いられています。特に、肩幅を強調せずに優しいフォルムを作ることができる点から、女性らしい柔らかさや抜け感を演出したいシーンにおいて活用されています。

また、ドルマンスリーブは素材選びによって印象が大きく変わるため、コットンであればナチュラルな印象に、シフォンやサテンであればよりエレガントでモードな印象になります。近年では、ユニセックスデザインやジェンダーレスファッションの中でも注目されており、その柔軟なシルエットが多様なファッションニーズに応えています。

まとめ

ドルマンスリーブは、トルコの伝統的な衣服に起源を持ち、長い歴史の中で洗練されたシルエットへと進化してきた袖のデザインです。そのゆったりとした構造は、着心地と美しさの両立を実現し、現代ファッションにおいても定番のディテールとして幅広い支持を得ています。着る人の個性やシーンに応じて表情を変えるドルマンスリーブは、今後も多くのデザイナーやブランドによって活用され続けることでしょう。

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