アパレル業界におけるベストとは?

アパレル業界の分野におけるベスト(べすと、Vest、Gilet)は、袖のない上着を指すアイテムで、ジャケットやシャツの上に重ね着するスタイルが一般的です。もともとは紳士服のスリーピーススーツの一部として用いられてきましたが、近年ではレディースファッションやカジュアルウェアにも広がり、素材やデザインの多様化によってオールシーズン活躍する汎用性の高いアイテムとして注目されています。

ベストの基本的な特徴とスタイル

ベストとは、通常は胴体部分を覆う袖なしの衣服で、シャツやブラウス、Tシャツの上に重ねることを前提としたアウターの一種です。前開きでボタン留めのものが多く、フィット感のあるシルエットから、オーバーサイズでトレンド感を演出するデザインまで多様な形状が存在します。

素材にはウール、コットン、デニム、ナイロン、レザーなどが用いられ、ビジネスからカジュアル、アウトドアシーンまで幅広く対応します。ファッション性だけでなく、防寒や機能性も備えた実用的なレイヤードアイテムとして重宝されています。

ベストの歴史と語源

ベストの起源は17世紀のヨーロッパにさかのぼります。イギリスのチャールズ2世が1666年に採用した新しい宮廷服装の形式に含まれていたのが始まりとされ、そこからスリーピーススーツの一部として発展しました。もともとは「ウエストコート(Waistcoat)」と呼ばれ、胴体を保護しつつ装飾性もある衣服として定着しました。

英語の「Vest」はアメリカ英語において「ベスト」と同義で使われ、フランス語の「Gilet(ジレ)」も同様の意味を持ちます。現在の日本ではこれらすべてが同じカテゴリとして扱われますが、ファッション文脈においては「ジレ」がより洗練された印象を与えることもあります。

現代におけるベストの役割とトレンド

現代のベストは、メンズスーツの一部としてのフォーマルな役割にとどまらず、女性のコーディネートにも頻繁に登場するようになりました。ノースリーブジャケット風のデザインや、オーバーサイズのシルエットが登場し、レイヤードスタイルの主役として注目されています。

また、アウトドアブランドではポケットが多く実用性に優れた「フィッシングベスト」や「ミリタリーベスト」が展開されるなど、機能性を重視したスタイルも人気です。秋冬にはウールやキルティング素材、春夏にはリネンやメッシュ素材が用いられ、季節ごとの装いに応じた選択肢が広がっています。

まとめ

ベストは、長い歴史とともに機能性と装飾性を兼ね備えて進化してきたアイテムです。フォーマルからカジュアル、ユニセックスなデザインまで展開され、ファッションの幅を広げる存在としてアパレル業界で欠かせない要素となっています。

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