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アパレル業界におけるアランニットとは?

アパレル業界の分野におけるアランニット(あらんにっと、Aran knit、Tricot Aran)は、アイルランド西部のアラン諸島に由来する伝統的な編み模様を特徴とするニットウェアです。縄のような立体的なケーブル模様や、ダイヤ柄などが代表的で、各モチーフに意味が込められています。現代では秋冬のカジュアルスタイルやナチュラルファッションに欠かせない定番アイテムとなっています。

アランニットの定義と基本的な特徴

アランニットとは、アイルランドのアラン諸島発祥の伝統的なニットで、複雑で立体的な編み模様が特徴です。主に羊毛を素材とし、防寒性に優れた厚手のセーターやカーディガンとして仕立てられています。

その最大の特徴は、縄状のケーブル編みやダイヤモンド、ハニカム(蜂の巣)模様など、意味のあるモチーフを組み合わせたデザインにあります。これらは漁師の安全や家庭の繁栄を祈るお守り的な意味を持ち、伝統文化としても価値の高い衣服とされています。

アランニットの歴史と由来

アランニットは、アイルランド西岸に位置するアラン諸島で、19世紀末から20世紀初頭にかけて発展したとされています。漁師の家族が作るセーターとして始まり、寒冷な海風から体を守るための防寒着として重宝されてきました。

その名の「アラン」は地名に由来し、「アランセーター」とも呼ばれます。当時のセーターは手編みで一着一着が異なる模様を持ち、それぞれの家庭や村の伝統、家系を表現する手段でもありました。模様の違いによって、遭難した漁師の身元を識別することもあったと伝えられています。

現代のアランニットとその活用

現在のファッションにおいてアランニットは、伝統を継承しつつも、さまざまな素材やデザインで展開されています。定番のオフホワイトに加え、カラー展開やウール以外の素材を使った商品も増えており、カジュアルで温かみのある印象から、秋冬コーディネートの主役アイテムとして人気です。

近年では、ジェンダーレスなスタイリングや、ゆったりとしたオーバーサイズシルエットが主流となり、アランニットもより自由な着こなしで取り入れられるようになりました。また、ファストファッションブランドからハイブランドまで幅広い価格帯で流通しており、そのデザイン性と実用性から支持を集めています。

まとめ

アランニットは、アイルランドの伝統と実用性を兼ね備えたアイテムとして、アパレル業界で高く評価されています。豊かな編み模様と背景にある意味合いが魅力であり、時代を超えて多くの人々に親しまれています。今後も季節の定番アイテムとして、その存在感はますます広がっていくでしょう。

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