アパレル業界におけるエンパイアラインとは?
アパレル業界の分野におけるエンパイアライン(えんぱいあらいん、Empire Line、Ligne Empire)とは、胸下の高い位置に切り替えを設け、そこから裾に向かって自然に広がるシルエットを特徴とする衣服のデザインラインを指します。身体のラインを強調せず、上品でエレガントな印象を与えるため、ドレスやワンピースによく用いられます。妊婦用や小柄な人にも人気の高いスタイルです。
エンパイアラインの基本的な特徴とシルエット
エンパイアラインは、胸のすぐ下にウエストラインを設定し、そこから裾に向かって緩やかに広がるシルエットを持つスタイルです。ウエストを締めつけないため、柔らかく女性らしい印象を演出することができ、上半身をコンパクトに、下半身を流れるようなラインでカバーできるのが大きな特徴です。
このシルエットは特にドレスやワンピースで採用され、フェミニンかつエレガントな雰囲気を持つため、フォーマルウェアやマタニティドレス、ブライダルファッションでも好まれています。身体のラインを拾わず、着用する人の体型を選ばないことも魅力です。
エンパイアラインの言葉の由来と歴史的背景
「エンパイアライン」という名称は、ナポレオン・ボナパルトの治世に広まったファッションに由来します。特にその時代に活躍した皇后ジョゼフィーヌが好んで着用していたスタイルであり、フランス帝政(Empire)時代に流行したことからこの名がつきました。
18世紀末から19世紀初頭にかけてのフランスでは、古代ギリシャ・ローマの美意識が見直され、ゆったりとしたドレープをもつ服装が注目されました。その中で誕生したのがエンパイアラインであり、当時の女性たちはコルセットを外した解放的なスタイルとして支持しました。
現代のファッションにおけるエンパイアラインの使われ方
現代においてエンパイアラインは、パーティードレスやフォーマルなワンピース、さらには日常着にも応用されています。特に、体型をカバーしつつスタイルアップ効果が得られることから、小柄な人や妊婦、上半身にボリュームがある人など、幅広い層に人気です。
素材にはシフォンやジョーゼットなどの柔らかく落ち感のある生地が多く使われ、よりナチュラルで上品な印象を際立たせます。現代のデザイナーたちは、クラシカルなエンパイアラインを現代的に再解釈し、レースやビジューを加えた装飾的なデザインも展開しています。
まとめ
エンパイアラインは、胸下から広がる優雅なシルエットが特徴のデザインであり、歴史的な背景を持ちながらも現代のファッションでも高い人気を誇ります。体型カバーとスタイルアップを同時に実現できる点が、多くの人に支持される理由となっており、フォーマルからカジュアルまで幅広いシーンで活用されています。