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アパレル業界におけるケーブル編みとは?

アパレル業界の分野におけるケーブル編み(けーぶるあみ、Cable Knit、Tricot Torsad?)とは、編み物の技法の一つで、縄状に編み目を交差させて立体的な模様を形成する編地のことを指します。この技法は特にニット製品やセーターで多く用いられ、温かみのある質感とクラシカルな印象を与える装飾的な役割を担っています。ケーブル編みは実用性と装飾性を兼ね備え、秋冬の定番素材としてファッションの定番として親しまれています。

ケーブル編みの構造と視覚的特徴

ケーブル編みは、通常の平編みに比べて立体感があり、縄のように左右の目を交差させることによって複雑な模様が浮かび上がるのが特徴です。代表的なものには、左右にねじれた2本の糸が交差する「縄編み」があり、単純なパターンから複雑なものまで、さまざまなバリエーションが存在します。

この編み方は、単なるデザイン性にとどまらず、交差によって糸が密に重なることで保温性が高くなり、寒冷地における実用的な衣服としても優れているとされています。視覚的にも重厚感と温かみを感じさせ、秋冬のニットウエアにおいては定番中の定番といえるデザインです。

ケーブル編みの由来と歴史的背景

ケーブル編みの起源は、アイルランド西部のアラン諸島に伝わる「アランニット」とされています。漁師のセーターとして誕生したアランニットは、各家庭に独自の模様が伝承されており、ケーブル模様には「安全な航海」や「家族の絆」などの意味が込められていました。

20世紀初頭には、ファッションとしての価値が見いだされ、ヨーロッパの上流階級やアメリカのカジュアルファッションの一部として取り入れられました。その後、プレッピースタイルやトラッドスタイルの流行とともに、クラシックなニットデザインとして世界中に広まりました。

現代ファッションにおけるケーブル編みの使われ方

現在のアパレル業界では、ケーブル編みはセーターだけでなく、カーディガン、ワンピース、スカート、さらには帽子やマフラーなどの小物類にも取り入れられています。近年では従来のウール素材に加え、アクリルやコットンなどの軽量素材で作られたアイテムも多く、通年で楽しめるデザインとして進化しています。

また、メンズ・レディース問わず展開され、ジェンダーレスなアイテムとしての評価も高まりつつあります。伝統的なイメージを保ちながらも、カラーリングや模様の変化によってモダンな印象を与えるなど、アレンジの幅も広がっています。

まとめ

ケーブル編みは、伝統的な編み技法でありながら、現代のファッションにおいても高い人気を誇るデザインの一つです。その立体感と暖かさ、そしてクラシカルな印象は、多くのスタイルに取り入れられています。歴史的背景とともにデザインとしての魅力も豊富であり、今後も素材や形状の変化を通して進化を続ける編み模様といえるでしょう。

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