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美術におけるアートのコンセプト主義とは?

美術の分野におけるアートのコンセプト主義(あーとのこんせぷとしゅぎ、Conceptual Art、Art Conceptuel)は、作品の視覚的な美しさよりも、その背後にあるアイデアやコンセプトを重視する芸術運動です。1960年代に興隆し、現代美術においても影響を与え続けています。



アートのコンセプト主義の歴史

コンセプチュアルアート(概念芸術)の概念は、20世紀初頭のダダイズムシュルレアリスムに起源を持ちます。これらの運動では、従来の美術の枠組みを超え、思想や偶然性を重視する作品が生み出されました。

1960年代になると、ジョセフ・コスースソル・ルウィットといったアーティストが「アイデアこそが芸術である」という考えを提唱し、コンセプト主義が確立されました。

特に、「One and Three Chairs」などの作品は、物理的なオブジェクトとその概念の関係性を探求するものであり、美術の本質に対する新たな問いを生み出しました。



アートのコンセプト主義の特徴

コンセプト主義のアートには、以下の特徴があります。

視覚的要素よりアイデアを重視 – 作品の美しさよりも、その背後にある概念が重要視されます。

テキストや言葉を多用 – 作品には、解釈の手がかりとして文章や指示書が含まれることが多いです。

物理的なアート作品の排除 – インスタレーションやパフォーマンスのように、作品が物理的に存在しない場合もあります。

特に、インターネットアートデジタルアートの分野では、コンセプト主義の影響が強く見られます。



現代におけるアートのコンセプト主義

現在、コンセプチュアルアートは美術館、ギャラリー、インスタレーションアート、デジタルアートなどの領域で広く活用されています。

また、NFTアートの登場により、コンセプチュアルアートの「所有と概念」の関係に新たな視点が加わりました。



まとめ

アートのコンセプト主義は、芸術の本質を問い直す思想的な運動として、美術の進化に貢献しています。

今後も新しい技術や価値観と融合し、さらなる発展が期待される分野です。


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