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美術におけるイコン画とは?

美術におけるイコン画(英語: Icon Painting、仏語: Peinture d'icône)は、キリスト教の宗教画の一種で、特に正教会や東方教会において重要な役割を果たしています。イコン画は、聖人やキリスト、聖母マリアなどを描いたもので、礼拝や信仰の対象として崇められています。その表現は、厳格な規則や象徴性に基づいており、宗教的・霊的な意味を強く持っています。



イコン画の歴史と背景

イコン画の起源は、初期キリスト教時代に遡ります。特に、ビザンツ帝国(東ローマ帝国)において、イコン画は宗教的・文化的な中心的な役割を果たしました。イコン画は、聖人やキリスト、聖母マリアなどを描いたもので、礼拝や信仰の対象として崇められました。

特に、8世紀から9世紀にかけてのイコン破壊運動(イコノクラスム)では、イコン画の使用を巡って激しい論争が起こりました。しかし、843年にイコン崇敬が正式に認められ、イコン画は正教会や東方教会において重要な地位を確立しました。



イコン画の特徴と表現手法

イコン画の最大の特徴は、その象徴性宗教的意味にあります。イコン画は、単なる肖像画ではなく、聖人やキリスト、聖母マリアの霊的な存在を表現するための象徴的な表現が重視されます。特に、色彩や構図、シンボルには厳格な規則があり、それらは宗教的・霊的な意味を伝えるために使用されます。

また、イコン画は、その平面的な表現も特徴的です。遠近法や陰影を避け、平面的で装飾的な表現が追求されます。これにより、イコン画は現実世界とは異なる霊的な世界を表現することを目指します。



現代におけるイコン画の使われ方

現代の正教会や東方教会において、イコン画は依然として重要な役割を果たしています。特に、礼拝や信仰の対象として、イコン画は崇められています。また、イコン画は、その宗教的・霊的な意味から、美術史や文化史の研究においても重要な位置を占めています。

さらに、イコン画は、その象徴性から、現代美術やデザインにも影響を与えています。特に、イコン画の色彩や構図は、現代のアーティストやデザイナーにとってインスピレーションの源となっています。



まとめ

イコン画は、キリスト教の宗教画の一種で、特に正教会や東方教会において重要な役割を果たしています。その象徴性と宗教的意味から、礼拝や信仰の対象として崇められています。特に、その平面的な表現から、霊的な世界を表現することを目指します。今後も、イコン画は宗教的・文化的な重要な要素として位置づけられ続けるでしょう。


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