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美術におけるモデルスタンドとは?

美術の分野におけるモデルスタンド(もでるすたんど、Model Stand、Socle de Modele)は、彫刻やフィギュア、デッサンモデルなどを安定的に保持するための支持具を指します。高さ・角度調整が可能で、制作中の作品を多角的に観察・操作できるため、精緻な造形作業や撮影時の固定に欠かせない道具です。



モデルスタンドの概要と用途

モデルスタンドは、キャンバスやデッサン台の前に置く立体対象を固定し、作品制作や観察を容易にするツールです。ベース部分は重量があり、滑りにくい素材で作られており、上下および回転調整機能を備えるものが一般的です。彫刻家は粘土像やワックスモデルを回しながら細部を彫刻でき、画家やデザイナーは複雑な形態をあらゆる角度から観察しやすくなります。さらに、写真家や動画制作者は、照明を当てた状態での固定撮影に活用し、多角的な視点を得ることが可能です。



素材と構造の特徴

モデルスタンドの素材には、鉄製やアルミ製のシャフトと、硬質プラスチックや木製のヘッド、重厚な鋳鉄ベースが使われます。シャフトは耐久性と軽量化を両立しつつ、上下移動や回転がスムーズに行える構造となっています。特にベース部の滑り止め加工は重要で、大型のモデルや重い素材を載せても安定性を維持します。ヘッド部のクランプ機構は、モデルの底面形状に合わせて固定角度を保持し、作業中のズレを防止します。高度な製品では、ダンパー調整機能やレバー式のロック機構を搭載し、素早いポジション変更と確実なホールドを両立させています。



使用時の技法と注意点

使用前には、ベースが水平であることを確認し、シャフトの高さと回転角度を粗調整します。モデルを載せる際は、水平を維持しながら両手でしっかり支え、クランプを締め付けます。粘土やワックスなど変形しやすい素材の場合は、クランプ部に布を当てることで表面へのダメージを防ぎます。作業中は頻繁に回転させるため、回転軸の摩耗や緩みを定期的にチェックし、必要に応じてねじ締めやグリスアップを行いましょう。高所での作業や重心が偏ったモデルでは、耐荷重限界を超えないよう注意し、製品仕様に合ったモデルスタンドを選定することが安全対策として不可欠です。



応用例と選び方

美術教育現場では、デッサンモデルの回転展示に利用され、学生がどの角度からでも観察できる環境を提供します。プロの彫刻工房では、複雑な石像や金属彫刻の細部仕上げに使われ、高さ・角度を自在に調整できる大型モデルスタンドが重宝されます。選び方のポイントは、載せるモデルの最大重量と高さ、調整範囲、設置スペースとの兼ね合いです。回転機能やロック機構の有無、ベースのサイズ・形状も確認し、素材やクランプ形状が制作スタイルに適合しているかを検討するとよいでしょう。



まとめ

モデルスタンドは、立体モデルの制作・観察・撮影を支える必須ツールであり、素材や構造の違いにより多様なニーズに対応します。

適切な耐荷重と調整機能を備えた製品を選び、正しい使用方法を守ることで、作品制作の効率と精度を飛躍的に向上させることができます。

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