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美術におけるリタッチメディウムとは?

美術の分野におけるリタッチメディウム(りたっちめでぃうむ、Retouch Medium)は、絵画やイラストの仕上げ作業に使用されるメディウムの一種で、特に油絵やアクリル絵画の修正や色調整、仕上げのために使用されます。リタッチメディウムは、塗料の乾燥時間を調整したり、透明感を持たせたり、光沢を与えたりすることができ、最終的な仕上がりに重要な影響を与えます。



リタッチメディウムの目的と用途

リタッチメディウムは、絵画の修正や再調整を行うために用いられます。例えば、絵画の乾燥が不均一で、特定の箇所が乾きすぎている場合や、色がやや沈んでしまった場合に、リタッチメディウムを使って色を再度調整することができます。また、絵画に艶や透明感を加えることもでき、最終的な仕上がりを整える役割も果たします。

特に油絵においては、リタッチメディウムが重要な役割を果たします。油絵の顔料は乾燥が遅いため、リタッチメディウムを使うことで、仕上げ作業をスムーズに行うことができます。また、アクリル絵画でも、乾燥後に発生する微妙な色合いの変化を調整するためにリタッチメディウムが用いられることがあります。



リタッチメディウムの種類と特徴

リタッチメディウムにはさまざまな種類があり、使用目的に応じて選択することが重要です。油絵用のリタッチメディウムは、主に以下のような特徴を持っています:

  • 乾燥時間の調整:乾燥が早すぎると不都合な場合、乾燥時間を調整するためにリタッチメディウムを使用することがあります。
  • 透明感を加える:絵画の色をより透明にするため、リタッチメディウムを使用して色の層を薄くし、光を通すように仕上げることができます。
  • 光沢の調整:仕上げに艶を加えるために使用し、作品の質感を豊かにすることができます。

アクリル絵画では、リタッチメディウムは主に以下の目的で使用されます:

  • 色調整:アクリル絵画は乾燥後に色がやや暗くなることがあります。そのため、リタッチメディウムを使って色を明るくしたり、再調整したりします。
  • 層の透明度調整:複数の層を重ねたアクリル絵画で、層ごとの透明度を調整するためにリタッチメディウムが使われます。


リタッチメディウムの使用方法と注意点

リタッチメディウムは少量を使用することが推奨されます。過度に使うと、色の濁りや、表面に光沢が不均一に現れる場合があります。通常、絵画がある程度乾燥した後に塗布し、必要に応じて薄く塗り重ねることで、修正や仕上げを行います。使用する際には、絵画の状態や希望する仕上がりに応じて、適切なメディウムを選びます。

また、リタッチメディウムは使用後に乾燥させる必要があり、完全に乾燥するまでに時間を要することもあるため、作品の進行具合に合わせて適切なタイミングで使用することが重要です。乾燥の時間を正確に把握し、メディウムの効果を最大限に活かすための管理が求められます。



リタッチメディウムの選択と製品の比較

リタッチメディウムは、市販されているさまざまな製品があり、それぞれが異なる効果を持っています。オイルベースのメディウム、アクリルベースのメディウム、ジェルタイプなどがあり、それぞれの特徴や使用方法に応じて選ぶことが重要です。例えば、オイルペインティング用のリタッチメディウムは、油分を多く含んでおり、乾燥を遅らせたり、艶を加えるのに適しています。

アクリル絵画用のメディウムは、乾燥後の色調整を行うために使用されることが多く、透明感を引き出すタイプや、色の濁りを防ぐタイプなど、目的に応じて使い分けます。



まとめ

リタッチメディウムは、絵画制作において非常に重要な役割を果たすアイテムであり、絵画の乾燥時間調整、透明感や光沢の追加、色調整などに用いられます。適切に使用することで、作品の完成度を高め、長期にわたって保存可能な状態に仕上げることができます。

作品に求める効果に合わせてリタッチメディウムを選び、注意深く使用することで、美術作品の完成度を一層高めることができます。

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