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美術におけるワックスクレヨンとは?

美術の分野におけるワックスクレヨン(わっくすくれよん、Wax Crayon)は、ワックスを基にした色鉛筆の一種で、豊かな色彩と柔らかい質感が特徴的な画材です。ワックスクレヨンは、色の鮮やかさと塗りやすさから、特に子供のアートや学習用として広く利用されていますが、アーティストによっても表現力を高めるためのツールとして使用されています。



ワックスクレヨンの特徴と構造

ワックスクレヨンは、色素とワックス(通常はパラフィンワックスやミツロウなど)を混ぜ合わせて作られた画材です。これにより、柔らかく滑らかな描き心地を持ちながらも、塗り重ねることができる特性を備えています。色鉛筆に比べて、より強い発色と、テクスチャー感のある仕上がりが特徴です。

ワックスクレヨンの構造はシンプルで、硬い芯に色を塗った外側のワックスが固まっており、使用する際に芯を削って使用します。クレヨンの芯は柔らかいため、絵を描く際には多くの色を重ねることができ、これがアートに奥行きやテクスチャーを与えるのです。



ワックスクレヨンの使用方法と技法

ワックスクレヨンは、様々な技法を駆使して使用することができます。以下は、ワックスクレヨンの基本的な使用方法と技法です:

  • レイヤリング: ワックスクレヨンは、複数の色を重ねて塗ることで、色の深みや微妙なグラデーションを作り出すことができます。この技法は、色を混ぜ合わせて新たな色を作り出すことにも役立ちます。
  • スクラッチ技法: クレヨンで塗った上に別の色を重ね、その後に刃物などで削ることで下の色が現れ、面白いテクスチャーを作り出す技法です。
  • ブレンド技法: ワックスクレヨンを使用する際には、指や布を使って色をぼかすことができます。これにより、色の境界を滑らかにし、絵に柔らかな印象を与えることができます。
  • 強調と陰影: クレヨンの柔らかい質感を活かし、陰影や強調をつけることで、立体感や深さを出すことができます。

これらの技法を駆使することで、ワックスクレヨンは単なる色塗りの道具を超え、アート作品に新たな表現力を与えることができます。



ワックスクレヨンの応用例とアートでの使用

ワックスクレヨンは、特に子供の絵画や教育の現場で広く使用されていますが、アーティストによってもその特性を生かした作品が制作されています。以下は、ワックスクレヨンの代表的な使用例です:

  • 子供のアート教育: ワックスクレヨンは、その柔らかく直感的に使える特性から、子供たちがアートを学ぶ際に最適な道具とされています。色鮮やかな描画が可能で、手軽に色の重ね塗りが楽しめます。
  • 現代アートと抽象画: 現代アーティストの中には、ワックスクレヨンの質感や発色を活かして、抽象的な表現を行う作家もいます。特に色の重ね塗りや塗り重ね技法を用いて、独特のテクスチャーと表現を引き出すことが可能です。
  • イラストとデザイン: イラストレーターやデザイナーが、手描きのイラストやデザインにワックスクレヨンを使用することもあります。ワックスクレヨンの滑らかさと発色が、アートに温かみや独自の雰囲気を加えます。
  • 絵画や版画の下絵: 一部のアーティストは、ワックスクレヨンを絵画や版画の下絵として使用します。その柔らかい質感と強い色彩が、作品の基礎となる線画や構図に役立ちます。

このように、ワックスクレヨンは多岐にわたる分野で使用されており、アーティストや教育者にとって価値のある道具となっています。



ワックスクレヨンのメンテナンスと保管方法

ワックスクレヨンは、適切に保管し、メンテナンスすることで長期間使用することができます。クレヨンを使用した後は、芯が削れていないかを確認し、必要に応じて削っておきましょう。特に、湿度や高温多湿の環境では、クレヨンが溶けることがあるため、冷暗所での保管が推奨されます。

また、ワックスクレヨンの塗り残しが残っている場合は、布や専用の道具で拭き取ると、次回の使用時に快適に作業ができるでしょう。



まとめ

ワックスクレヨンは、その色鮮やかさと柔らかい質感から、アート教育や現代アートなど、さまざまな分野で広く使用されています。

その多様な技法と使いやすさにより、アーティストや学生にとって非常に魅力的なツールであり、直感的に表現を楽しむことができます。

ワックスクレヨンは、今後もアート制作における重要な道具として利用され続け、さらなる創造的な表現を促進することでしょう。

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