【画箱とは？】ビジプリ美術用語辞典

美術における画箱とは？

美術の分野における画箱（がばこ、Painting Box、Boite a peinture）は、絵を描くための道具を収納するための箱で、主に画家が使用します。画箱は、筆や絵具、パレットなどの画材を整理して持ち運ぶための道具として重要な役割を果たします。

画箱の歴史と起源

画箱の起源は、16世紀から17世紀のヨーロッパにさかのぼります。初期の画箱は、絵を描くための基本的な道具を持ち運ぶための箱として、画家の移動を便利にする役割を果たしていました。特に、外での写生や風景画を描くために、画箱は携帯用のアートセットとして重要視されました。

日本においても、江戸時代には画箱が存在し、浮世絵師や日本画家が使用していました。日本の画箱は、西洋の画箱とは異なり、筆や絵具だけでなく、巻物や掛け軸などの画材を収納するための工夫が施されていました。

画箱の構造と種類

画箱は、通常、木製や金属製で、内部に仕切りがあり、絵具や筆、パレット、キャンバスなどを収納できるようになっています。多くの画箱は、画家が必要な道具を一つの箱にまとめて持ち運べるように設計されています。

画箱には、開けると一段ずつ道具を取り出しやすくなっているものや、開いたまま設置できるタイプなど、さまざまな構造があります。また、最近では軽量化されたプラスチック製の画箱や、さらに多機能を持つ画箱も登場しており、現代のアーティストにとって非常に便利な道具となっています。

画箱の役割と使用方法

画箱の主な役割は、画材を整理し、持ち運びやすくすることです。外での写生や旅行先での制作活動を行う際に、画箱は画家にとって非常に便利なアイテムです。画箱を使うことで、画家は必要な道具をすぐに取り出して、制作をスムーズに行うことができます。

また、画箱は画家の創作活動をサポートするだけでなく、道具を整理整頓し、長期間の使用にも耐えられるように作られています。絵具が乾燥してしまわないように密封できるような設計や、キャンバスを簡単に収納できるスペースがあるなど、細部にわたる配慮がされています。

現代における画箱の進化

現代の画箱は、伝統的な木製のものだけでなく、プラスチックやアルミニウムなどの軽量で丈夫な素材を使用したものが増えています。これにより、画箱はさらに軽便になり、持ち運びがしやすくなりました。また、収納スペースが増えたり、折りたたみ式で使わないときにコンパクトに収納できる機能を持つものも登場しています。

さらに、画箱にはデジタルアート用のツールを収納できるスペースを持つものや、モバイルアートツールが収納できるタイプのものもあり、現代のアーティストのニーズに応じた進化を遂げています。