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美術における画用紙とは?

美術の分野における画用紙(がようし、Drawing Paper)は、絵画やデッサンなどの制作に使用される専用の紙です。画用紙は、さまざまな質感や厚さ、色合いを持っており、使用する画材に応じて適切な種類が選ばれます。主に鉛筆、チャコール、水彩、アクリル、インクなどの画材に対応したものがあり、それぞれが持つ特性により、表現方法や作品の完成度に大きな影響を与えます。



画用紙の種類と選び方

画用紙は、使う画材や技法によって選ぶべき種類が異なります。以下に代表的な画用紙の種類を紹介します:

  • スケッチ用紙:比較的薄く、細かい線を描くのに適した紙です。主に鉛筆やチャコールなどでのデッサンに使用されます。滑らかな表面を持っており、筆圧によって陰影やテクスチャを表現できます。
  • 水彩用紙:水彩画用の紙は、表面に特別な処理が施されており、非常に吸水性が高いのが特徴です。水彩用紙は厚手で、絵の具がにじむことなく、適度な質感を持っています。表面の仕上がりによって、グラデーションやにじみを表現できます。
  • アクリル用紙:アクリル絵具に特化した画用紙で、油絵のように厚みがあり、絵具が乗りやすいように表面が加工されています。アクリルの特性を最大限に活かすため、耐水性や耐久性が高いものが求められます。
  • キャンバス紙:キャンバス紙は、アクリルや油絵具の使用に向いており、表面に織り目があり、油絵のキャンバスのような質感を持っています。キャンバスに近い感触を持ちながらも、紙の軽さが特徴です。
  • パステル用紙:パステルを使用するための専用紙で、ざらついた表面が特徴です。この粗い表面がパステルをしっかりとキャッチし、色の層を作りやすくします。

画用紙を選ぶ際は、使用する画材に合わせて適切な種類を選びます。例えば、水彩画には水彩用紙、油絵にはキャンバス紙など、目的に応じた紙を選ぶことが重要です。



画用紙の厚さと質感

画用紙は、厚さや質感によっても使用感が大きく異なります。以下は、画用紙を選ぶ際に重要なポイントです:

  • 厚さ(重さ):画用紙は、通常、重さや厚さで区別されます。例えば、水彩用紙の場合、重量が300gsm以上(1平方メートルあたりの重さ)であることが推奨されます。軽い紙はインクや絵の具がにじみやすくなるため、厚い紙を選ぶことが一般的です。
  • 質感(表面仕上げ):画用紙には、ざらざらとした質感の「荒目」や、滑らかな「細目」など、さまざまな表面仕上げがあります。これらは絵の具の乗り具合やテクスチャに影響を与え、作品に独特の表現を生み出します。
  • テクスチャ:画用紙のテクスチャは、アートの表現に影響を与える重要な要素です。例えば、パステル用紙は粗い表面で、パステルの粉がしっかりと乗り、油絵やアクリルの絵具には、キャンバス紙のような少しざらっとした質感が適しています。


画用紙の保存と取り扱い

画用紙は、長期間保存するためには適切な保管方法が必要です。紙は湿気や温度の変化に弱いため、以下の点に注意して保存します:

  • 湿度と温度:画用紙は湿度が高い場所に保存すると、曲がったり、カビが生えることがあります。紙を保存する際は、乾燥した場所に保管し、湿気を避けるようにします。
  • 保護用カバー:未使用の画用紙や完成したアート作品は、保存用のカバーやフォルダで保護することが推奨されます。直射日光や埃から守り、変色や破損を防ぎます。
  • 平らに保管:画用紙を保管する際は、平らな状態で保存することが大切です。折れ曲がったり、曲がったりしないように、平らな場所に置いて保管します。


まとめ

画用紙は、アート作品を制作するための重要な基盤となる素材であり、使用する画材や制作方法によって適切な種類を選ぶことが大切です。画用紙の厚さや質感を理解し、目的に応じた紙を選ぶことで、アート作品の表現力を最大限に引き出すことができます。

また、画用紙は長期間保存するために適切な環境で保管し、作品の寿命を延ばすことが重要です。これらの知識を活用して、アーティストはより効果的に画用紙を活用し、素晴らしい作品を作り出すことができます。

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