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イベント業界におけるダイレクトボックスとは?

ダイレクトボックスとは?(だいれくとぼっくす、Direct Box、Boîtier de direct)

イベント業界におけるダイレクトボックスとは、楽器や音響機器からの信号をバランスド信号に変換し、ミキサーやPAシステムに接続するための装置を指します。特に、エレクトリックギターやベース、キーボードなどの機器からの信号を長距離で送信する際に使用され、ノイズの発生を防ぐ役割を果たします。ダイレクトボックスは、ライブコンサートや舞台パフォーマンスなど、さまざまなイベントで不可欠な機材です。


ダイレクトボックスの歴史と由来

ダイレクトボックスの概念は、20世紀中頃に音響技術が進化する中で登場しました。当時、エレクトリックギターやベースなどの楽器は、アンプを通じてステージ上で直接音を出すことが一般的でしたが、これに伴うノイズや音質の劣化が問題となっていました。そこで、楽器の信号を変換し、長距離でもノイズの少ないバランスド信号で送信できる装置として、ダイレクトボックスが開発されました。

最初のダイレクトボックスは、シンプルなパッシブ回路を使用したものでしたが、その後、アクティブタイプのダイレクトボックスが登場し、信号の増幅やインピーダンス変換が可能となりました。これにより、音質の劣化を防ぎつつ、よりクリアで強力な音声伝達が実現しました。現在では、さまざまな種類のダイレクトボックスが市場に出回っており、音響エンジニアやミュージシャンにとって欠かせないツールとなっています。

ダイレクトボックスの目的と重要性

ダイレクトボックスの主な目的は、楽器や音響機器からのアンバランス信号をバランスド信号に変換し、長距離でのノイズレスな音声伝達を可能にすることです。これにより、ミキサーやPAシステムにおいて、よりクリアで高品質な音声を提供できます。特にライブイベントやコンサートでは、複数の楽器や音響機器が同時に使用されるため、ダイレクトボックスを利用することで、音声の一貫性と安定性が確保されます。

また、ダイレクトボックスは信号のインピーダンスを調整する役割も果たします。エレクトリックギターやベースなどの楽器は、一般的に高インピーダンスの信号を出力しますが、これをそのままミキサーに接続すると、音質が劣化する可能性があります。ダイレクトボックスは、これを低インピーダンスに変換することで、音質を保ちつつ、より安定した信号を提供します。

現在のダイレクトボックスの使われ方

現在、ダイレクトボックスはライブコンサート、舞台パフォーマンス、録音スタジオなど、さまざまな場面で使用されています。ライブパフォーマンスでは、特にエレクトリックギターやベース、キーボードなどの楽器の音声をPAシステムに送る際に使用され、音響エンジニアがミックスする際に欠かせない機材となっています。これにより、観客に対してクリアでバランスの取れた音声を提供することができます。

さらに、録音スタジオでは、ダイレクトボックスが音声信号を最適化し、高品質の録音を可能にします。アクティブタイプのダイレクトボックスは、電池やファンタム電源を使用して信号を増幅し、さらにクリアな音質を提供します。一方、パッシブタイプのダイレクトボックスは、シンプルで堅牢な設計が特徴で、特にギタリストやベーシストに好まれています。

ダイレクトボックスに関する注意点

ダイレクトボックスを使用する際には、いくつかの注意点があります。まず、使用する機器や環境に応じて、適切なタイプのダイレクトボックスを選択することが重要です。アクティブタイプは信号を増幅できるため、弱い信号を扱う際に適していますが、電源が必要となります。一方、パッシブタイプは電源が不要で、堅牢な設計が特徴ですが、信号増幅は行えません。

また、接続する機器との相性も考慮する必要があります。インピーダンスの不一致が音質の劣化を引き起こすことがあるため、接続する機器のインピーダンスとダイレクトボックスの仕様を確認することが大切です。さらに、複数のダイレクトボックスを使用する場合、信号の位相や接続の順序に注意し、音声の一貫性を保つように設定することが求められます。


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