【ラインアレイとは？】イベント用語辞典

イベント業界におけるラインアレイとは？

イベント業界における「ラインアレイ」（ふりがな：らいんあれい、英語表記：Line Array、仏語表記：Ligne Array）は、複数のスピーカーを垂直方向に一列に並べ、音響を広範囲に均一に届けるためのシステムです。音の届き方を調整し、会場の隅々までクリアな音質を届けることができるため、大規模なイベントやコンサート、野外フェスティバルで特に利用されています。音質の調整や設置の柔軟性から、イベント音響の中核的存在として重宝されています。

ラインアレイの基本概念と仕組み

ラインアレイとは、スピーカーユニットを縦に連ね、特定の角度で配置することで、会場全体に均一な音響を提供するシステムです。各スピーカーの角度や間隔を調整することで、音の広がりや音量を制御し、会場のどの場所でも同じ音質を実現できます。

ラインアレイは、通常、ステージの上方から吊り下げる形で設置され、ステージ前方から遠くのエリアまで均等な音の拡散を行います。この配置によって、近くの観客に大きすぎる音が届くことや、遠くの観客に音が届かないという問題を解消し、全ての観客がステージの音を楽しめる環境を作り出します。

ラインアレイの歴史と由来

ラインアレイの技術は、1960年代後半から1970年代初頭にかけて登場しました。当時、野外コンサートやスタジアムなど大規模なイベントが増加し、広範囲に高音質の音を届ける必要性が高まりました。従来のスピーカー配置では、特定のエリアに音が集中しすぎたり、遠くの観客に音が届かないという問題があり、これを解決するためにラインアレイ技術が開発されました。

1970年代に入り、音響工学の進化とともに、ラインアレイの概念が定着し、特にライブ音楽イベントや大規模な集会でその使用が急速に広がりました。ラインアレイは従来の音響装置の限界を打破し、現代のイベント業界では標準的な音響技術として位置づけられています。

ラインアレイの特徴と利点

ラインアレイの主な特徴は、均一な音響の拡散と音の指向性制御が可能である点です。個々のスピーカーからの音の波が干渉し合い、まるでひとつの大きなスピーカーのように音が出るため、全体で統一された音響効果が得られます。

また、ラインアレイは設置の柔軟性も高く、ステージ周辺や屋外の大規模エリアなど様々な場所に適応できます。スピーカーの角度や出力を調整することで、必要なエリアに正確に音を届けることができ、観客に不要な音の反射やエコーを減少させます。

ラインアレイの使用方法と実践例

イベント業界では、ラインアレイはライブ音楽イベントやフェスティバル、スポーツイベントなど、観客数が多く、音のカバー範囲が広い場面で頻繁に使用されています。ステージから遠くの観客まで音を届けるため、スピーカーを上方から吊り下げる形式が一般的です。これにより、観客が前方であっても後方であっても均一な音量と音質を楽しむことができます。

また、ラインアレイシステムは、会場の形状や屋内外の条件に合わせて、細かく音の指向性や音量を調整できるため、音響効果の管理が非常に柔軟です。このため、ラインアレイはイベントの規模や場所を問わず高い効果を発揮します。