【リフティングとは？】イベント用語辞典

イベント業界におけるリフティングとは？

イベント業界における「リフティング」（ふりがな：りふてぃんぐ、英語表記：Lifting、仏語表記：Levage）は、ステージセットや照明機材、大型スクリーンなどの設営・撤去の際に使用する機材や装置を持ち上げる作業を指します。クレーンやウィンチなどの専用装置を用いて、重い装置や機材を適切な高さや位置に安全に持ち上げることが含まれ、演出効果を最大化し、会場内の視覚的インパクトを強化します。

リフティングの基本的な役割

リフティングは、イベント業界において会場の設営と撤去に欠かせない要素です。会場設営における大型セットや重機材の持ち上げと配置には、正確かつ安全な操作が求められます。イベントの種類によってリフティングの方法も異なり、コンサートではスピーカーの吊り上げやスクリーンの設置、展示会ではブース全体の持ち上げ、演劇やライブではセットの位置調整や効果的な高さ調整が求められます。

イベントでリフティングが求められる理由には、視覚的効果の最大化があります。例えば、ステージ上の照明装置やビデオスクリーンはリフティングによって観客の視野を遮らない位置に配置され、広範囲に演出が行き渡るように設置されます。リフティングにより、観客の目にしっかりと演出効果が届くよう工夫できるのです。

リフティングの歴史と由来

リフティングの概念は、舞台芸術の初期から存在していましたが、現在のような専門的技術として確立されたのは20世紀以降です。演劇やコンサートが大規模になり、大掛かりなセットや照明設備が使用されるようになると、それらを正確に持ち上げたり、固定したりする技術の必要性が増してきました。

特に1950年代から1970年代にかけて、ロックコンサートの台頭とともにステージ設営が急速に発展しました。この時期には、より多くの観客に迫力ある演出を届けるために、照明や音響装置を吊り上げる技術が開発され、現在のリフティング技術の基礎が形成されました。現在では、電子制御されたウィンチやクレーン、リモコン操作ができる装置なども登場し、精密で安全なリフティングが可能となっています。

リフティングに使用される主な装置と技術

1. クレーンとウィンチ

クレーンは、大型機材や重量物を持ち上げるための必須装置です。クレーンのアームを伸ばして、特定のポイントまで機材を運ぶことができ、イベント会場内での装置の位置決めに役立ちます。ウィンチは、持ち上げた機材を確実に固定するための装置で、地上に固定された機材を吊り上げて所定の位置に保持します。

2. チェーンホイスト

チェーンホイストは、特に舞台や天井からのリフティングに使用される機器で、チェーンを引っ張ることで重量物を持ち上げられる仕組みです。電動式のチェーンホイストも広く普及しており、リモコン操作で正確な位置調整ができるため、イベントの即興的な要求に対応できます。チェーンホイストは、吊り上げる対象物を細かくコントロールできるため、セットの一部として使用することが可能です。

3. リフティングベースとスタンド

リフティングベースやスタンドは、持ち上げた機材や装置を支えるための補助装置です。これにより、照明機材や音響機材を安定して固定でき、イベント中に設置位置がずれることを防ぎます。ベースとスタンドは移動も容易で、現場でのセッティングと撤去がスムーズに行える点が特長です。

イベント業界におけるリフティングの現在の利用法

今日のイベント業界において、リフティング技術は視覚的なインパクトを最大化し、観客の注意を引きつける重要な演出手法となっています。例えば、大規模なフェスティバルや音楽ライブでは、リフティング技術によって巨大スクリーンや特殊照明装置が上部から観客に向けて効果的に配置され、ライブのダイナミズムを高めます。

また、展示会では企業ブースや展示物がリフティングによって目立つように設置され、来場者の関心を引きつけます。特に製品デモンストレーションが必要な場合、リフティングされた展示物はより多くの人々に見られ、観覧者にインパクトを与えることができます。