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飲食業界におけるアウトドアバーベキューとは?

飲食の分野におけるアウトドアバーベキュー(あうとどあばーべきゅー、Outdoor Barbecue、Barbecue en Plein Air)は、屋外での調理・飲食を中心としたバーベキュースタイルの食体験を指し、飲食業界においては顧客体験の向上、季節イベントの目玉、集客施策の一環として活用されています。

一般家庭でのレジャーの枠を超え、飲食店・リゾート・キャンプ場・都市部の屋上施設などが提供するアウトドア型の飲食サービスとして発展してきました。使用される設備は、炭火グリルやガスグリル、スモーカーなど多様化しており、提供するメニューも肉や野菜にとどまらず、魚介類、ピザ、デザートまで幅広く展開されています。

近年では“手ぶらでバーベキュー”が可能なフルサービス型店舗も増加しており、食材準備や後片付けが不要な形で提供されることで、より多くの消費者層に親しまれています。特に、ファミリー層や若年層、外国人観光客をターゲットとした施設において人気が高まっています。

アウトドアバーベキューは、非日常的で開放感のある食体験を提供することで、食の楽しみ方を拡張し、顧客満足度やリピーター獲得に寄与する戦略的な飲食コンテンツとなっており、今後も継続的な発展が期待されています。



アウトドアバーベキューの歴史と由来

バーベキュー(Barbecue)の語源は、スペイン語の「barbacoa(バルバコア)」にあり、これはカリブ海地域の先住民による「火の上で食材をじっくりと焼く調理法」に由来しています。これがアメリカに渡り、19世紀には南部を中心に肉のロースト文化として定着しました。

アメリカでは地域ごとに異なるスタイル(テキサス式、カロライナ式など)が確立され、やがて住宅の庭先で手軽に楽しめる「グリル文化」へと発展しました。これが日本にも輸入され、昭和後期から平成にかけて、キャンプやレジャーとして定着していきました。

飲食業界では、1990年代以降、アウトドアイベントの一環として導入が始まり、2010年代には都市型施設における常設バーベキュー設備の設置や、ホテル・旅館による宿泊プラン化などが拡大。コロナ禍以降は「密を避けられる飲食」として再注目され、需要が急増しています。



飲食業界におけるアウトドアバーベキューの活用と特徴

飲食業界におけるアウトドアバーベキューの導入目的は、主に以下の点に集約されます:

1. 季節イベントとしての集客
春~秋の期間に合わせて、「お花見BBQ」「ビアガーデン×BBQ」「ハロウィンBBQナイト」など、季節感を活かしたプロモーションイベントとして開催されます。

2. 高付加価値メニューの提供
通常の店内営業では提供しにくい、骨付き肉やシーフードグリル、スモーク料理などをライブ感のある調理スタイルで演出し、高単価メニューとして提供します。

3. ファミリー・団体向けの利用促進
大人数での利用を前提としたセットメニューや飲み放題プランの設計が可能で、送別会、誕生日会、企業の懇親会など、幅広いシーンで活用されています。

4. 食体験のブランド化
「手ぶらで楽しめるBBQ」「雨天でも開催可能な全天候型テラスBBQ」「ヴィーガン対応BBQ」など、テーマ性を持たせたブランディングが可能で、他店舗との差別化を図る上で重要です。

5. コロナ禍以降の安心感訴求
屋外かつ少人数制のスペース提供により、感染症対策としての安心感をアピール。店側もパーティションや換気、非接触決済の導入などで安全な食環境を整備しています。



今後の展望と飲食市場への影響

アウトドアバーベキューは、もはや一過性のブームではなく、新たな「外食体験」の一ジャンルとして定着しつつあります。これを支えるのが、以下のようなトレンドです:

● グランピング施設との融合
アウトドアBBQと宿泊サービスを融合させた「グランピングBBQ」が人気を集めており、特に観光地ではインバウンド需要にも対応した多言語メニューや食材オプションが整備されています。

● サブスクリプション型の利用
定額制で何度でもBBQが楽しめるプランを導入する飲食施設も増加。ユーザーの囲い込みに寄与しています。

● 地産地消との連携
地域の農産物や海産物をその場で焼いて提供する形式は、フードマイレージ削減にも貢献し、SDGsの観点からも高く評価されています。

● DX(デジタルトランスフォーメーション)との融合
事前予約の自動化、注文のモバイル化、テーブルごとのスマートオーダーシステムなどにより、効率的な運営が可能になりつつあります。

今後も、アウトドアバーベキューを軸にした新業態の開発や複合施設との連携が加速し、外食産業全体のサービスの多様化を推進していくものと考えられます。



まとめ

アウトドアバーベキューは、屋外という特性を活かした食体験であり、飲食業界においては集客・ブランディング・顧客満足度の向上といった多方面にわたる価値を提供するコンテンツです。

時代のニーズに適応した安全で快適な提供スタイルが確立されつつあり、今後もイベント性・レジャー性を伴う新たな外食の可能性を切り拓いていく重要な業態として注目されるでしょう。

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