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飲食業界におけるクープデザートとは?

飲食の分野におけるクープデザート(くーぷでざーと、Coupe Dessert、Dessert en coupe)は、ガラスや陶器製の器(クープ)に盛り付けられたデザートの総称を指します。アイスクリームやフルーツ、クリーム、ソースなどを層状に重ね、美しく仕立てられるのが特徴です。

クープデザートは、見た目の華やかさと豊かな味わいが両立されたデザートスタイルであり、特にカフェやレストランにおいて、お客様に視覚的な喜びを与えるメニューとして重宝されています。

本記事では、クープデザートの歴史、名称の由来、そして現代における活用事例などを、丁寧に解説してまいります。



クープデザートの歴史と発展

クープデザートの起源は、19世紀後半のフランスにさかのぼるといわれています。当時のヨーロッパでは、宮廷文化やブルジョワ階級の間で、見た目にも美しいデザートを競い合う風潮がありました。

この流れの中で、涼やかで美しいプレゼンテーションを実現するために、透明なガラス製の器に盛り付けられたアイスクリームやフルーツ、クリームを重ねる手法が生まれました。これが今日のクープデザートの原型と考えられています。

特に、20世紀初頭にはパリのカフェ文化の隆盛とともに、クープデザートは一般大衆にも広まりました。アイスクリームの普及や冷蔵技術の発展も、クープデザート人気を後押しする要因となりました。



クープデザートという言葉の由来と意味

「クープ(Coupe)」とは、フランス語で「杯」や「カップ」を意味する言葉であり、ここでは「浅くて広い器」を指します。そして「デザート(Dessert)」は、食事の締めくくりに供される甘味を意味します。

したがって、「クープデザート(Coupe Dessert)」は直訳すると「カップに盛ったデザート」という意味合いになります。

クープデザートに使用される代表的な素材は以下の通りです。

  • アイスクリーム・ソルベ:中心的な素材であり、さまざまなフレーバーが使われます。
  • フルーツ:生フルーツやコンポートなど、彩りと食感を加えます。
  • ホイップクリーム:ふんわりとした口当たりと、ボリューム感を演出。
  • ソース類:チョコレートソース、ベリーソース、キャラメルソースなど。
  • ナッツ・ビスケット:食感のアクセントに。

視覚的な層構成と味のバランスが重視され、層ごとのコントラストが楽しめる点が特徴となっています。



現代の飲食業界におけるクープデザートの使われ方

現代の飲食業界において、クープデザートは以下のような場面で活用されています。

  • カフェ・ビストロ:ランチ後やティータイムの人気メニューとして提供。
  • ホテルレストラン:ディナービュッフェやアラカルトメニューに組み込まれる。
  • パティスリー:特製クープデザートとして、テイクアウト対応も展開。
  • イベント・パーティー:ケータリングサービスでの目玉デザートに。
  • スイーツフェア:季節限定の素材(桃、苺、栗など)を使った特別メニューとして。

また、近年では「パフェ」との境界が曖昧になりつつあり、現代的な解釈でアート性を重視したクープデザートも多く登場しています。

インスタグラムなどSNS映えを意識した盛り付けや、グラスの形状を工夫することで、さらに視覚的なインパクトを高めるトレンドも見られます。

さらに、健康志向の高まりを受けて、砂糖控えめ・ヴィーガン対応のクープデザートや、スーパーフード(チアシード、アサイーなど)を取り入れた新しいスタイルも増加しています。



まとめ

クープデザートは、見た目の華やかさと豊かな味わいを兼ね備えた、飲食業界における重要なデザートスタイルのひとつです。

その歴史は19世紀フランスにまでさかのぼり、現代に至るまで多様なアレンジが施されながら進化してきました。今後も、食文化の変化やテクノロジーの進歩に応じて、新しいクープデザートの表現が登場し続けることが期待されています。

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