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ホテル業界におけるアシスタンスカウンターとは?

ホテル業界の分野におけるアシスタンスカウンター(あしすたんすかうんたー、Assistance Counter、Comptoir d’assistance)とは、宿泊客からの問い合わせや要望に対応する専用窓口のことです。宿泊中のトラブルや観光案内、施設利用の相談などをワンストップで受け付け、迅速かつ丁寧にサポートを提供します。一般的にはロビー付近に設置され、フロント業務とは異なり、より専門的な案内や手配業務を行う役割を担っています。



アシスタンスカウンターの役割と設置目的

アシスタンスカウンターは、主に宿泊客が安心して滞在できるようサポートを行う窓口です。フロントとは別に設置されることが多く、ルームサービスの手配、緊急時の対応、観光案内、タクシー配車や送迎手配、レストラン予約など、多岐にわたる業務を専門的に担います。これにより、フロント業務の負荷を軽減し、快適な滞在環境を提供することが可能となります。

設置目的は、大きく二つに分かれます。ひとつはゲストからの細かな要望に迅速に応えることで、顧客満足度を高めること。もうひとつは、宿泊施設全体のサービス品質を向上させ、滞在中のあらゆるサポートを一元化することで、効率的な運営を行うことです。特に外資系ホテルや高級ホテルでは、24時間体制で対応可能なアシスタンスカウンターを設け、国際的なゲストにもきめ細やかな対応を実現しています。



言葉の由来と歴史的背景

「アシスタンスカウンター」は、英語の“assistance”(援助、支援)と“counter”(窓口)を組み合わせた用語で、1980年代以降に欧米の大型ホテルやリゾート施設で普及しました。日本へはバブル期に外資系ホテルが進出した際に導入され、宿泊客の多様なニーズに応える手段として広まりました。

日本ホテル協会などが提唱するサービス基準の中で、フロントとアシスタンスカウンターを分けることで、専門的な対応が可能になると評価されました。また、観光業の発展やインバウンド需要の増加に伴い、英語や中国語など多言語で対応できる専門スタッフを配置する動きが進み、それに合わせてアシスタンスカウンターの役割も拡充されてきました。

近年では、地域との連携を強化するため、地元観光協会や交通機関と連動した案内業務も行うようになり、単なるホテル内の手配窓口から、地域全体の観光サポート窓口として機能を広げています。



現代における活用と求められるスキル

現代のアシスタンスカウンターでは、多言語対応が不可欠です。外資系・国内大手ホテルでは、英語、中国語、韓国語など数カ国語を操るスタッフを配置し、グローバル化した顧客ニーズに応えています。さらに、スマートフォンやSNSを用いたチャットサポートを導入するホテルも増加し、デジタルと対面を融合したハイブリッド対応が求められています。

求められるスキルとしては、まず接客マナーやコミュニケーション能力が挙げられます。ゲストの要望を的確に把握し、適切なサービスを提案するために、ヒアリング力や状況判断力が重要です。また、観光情報や交通手段に関する豊富な知識、レストランやエンターテインメント施設の最新情報を常にアップデートするリサーチ力も必要です。

さらに、緊急対応力も重要です。急病や事故などのトラブル発生時には、速やかに医療機関や関連部署と連携し、適切なサポートを提供する必要があります。これには、ホテル内の組織構造や外部組織との連携体制を理解しておくことが不可欠です。



まとめ

アシスタンスカウンターとは、ホテル業界においてゲストのあらゆる要望やトラブルに迅速かつ専門的に対応する専用窓口です。設置によりフロント業務の負荷軽減とサービス品質向上を両立し、快適な滞在環境を実現します。1980年代以降、欧米ホテルを通じて日本に導入され、多言語対応やデジタルサポートを取り入れた現代型の運営が進んでいます。

今後は、AIチャットボットなどのデジタル技術と連携した24時間対応や、地域一体型の観光案内機能など、アシスタンスカウンターの役割はさらに拡大していくでしょう。

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