ビジプリ > 販促・マーケ用語辞典 > 【ミッションバリュー】

販促・マーケティングにおけるミッションバリューとは?

販促・マーケティングにおけるミッションバリュー(みっしょんばりゅー、Mission Value / Valeur de Mission)とは、企業やブランドの存在意義(ミッション)を明確にし、それが顧客や社会に提供する価値としてどのように伝わるかを示す概念です。単なる製品やサービスの機能を超えて、企業の理念や目標を消費者との共感を通じて販促活動に活用することで、長期的なブランドロイヤルティを築くことを目的としています。


ミッションバリューの歴史と言葉の由来

「ミッション(mission)」は、企業やブランドの「使命」や「存在意義」を表し、「バリュー(value)」は「価値」や「利益」を意味します。この2つの概念を組み合わせた「ミッションバリュー」は、企業活動が社会や顧客に対して果たす役割を中心に据えたマーケティングの一形態を表します。

ミッションバリューという考え方は、20世紀後半にCSR(企業の社会的責任)が注目され始めた時期にその萌芽を見せました。しかし、本格的に普及したのは21世紀に入り、SDGs(持続可能な開発目標)やESG(環境・社会・ガバナンス)投資が注目されるようになった近年です。特に消費者が企業に対して環境や社会への貢献を求めるようになったことで、企業は自社の存在意義を明確化し、それをマーケティングの中心に据えるようになりました。

ミッションバリューの現在の使われ方

ミッションバリューは、ブランドが社会的課題や顧客の共感を得るために活用される以下のような施策で重要な役割を果たしています:

  • ブランドメッセージの強化:企業の理念や価値観をストーリーとして顧客に伝える。
  • 社会的インパクトキャンペーン:環境保護や多様性推進など、社会課題に取り組む活動を訴求。
  • 持続可能なプロダクトラインの展開:エシカルな原材料や製造プロセスを採用した製品をアピール。
  • パートナーシップの構築:NPOや地域社会との協力による社会貢献活動。

例えば、スポーツウェアブランドが「気候変動への挑戦」をミッションとして掲げ、再生素材で作られた商品ラインを展開することで消費者の共感を得た事例があります。また、食品業界ではフェアトレード商品を通じて生産者支援を訴求することが、ミッションバリューを活用した成功例と言えます。

ミッションバリューの効果とメリット

ミッションバリューを明確にすることには以下のような効果とメリットがあります:

  • ブランドロイヤルティの向上:消費者が企業の理念に共感することで、長期的な信頼関係を構築。
  • 差別化:競合他社との差別化要素として、顧客の記憶に残りやすいブランドを構築。
  • 社員のエンゲージメント向上:企業の理念に共感した社員の士気や満足度を向上。

また、若年層を中心に、「どのような企業から商品を購入するか」が購買決定において重要な要因となっています。ミッションバリューは、こうした消費者心理を捉えるために極めて効果的です。

ミッションバリューの課題

ミッションバリューを活用する際には以下の課題に注意が必要です:

  • ミッションと行動の乖離:企業の掲げる理念と実際の行動が一致しない場合、批判を招く可能性がある。
  • 即効性の欠如:短期的な成果を求める施策には向かない場合がある。
  • 伝達の難しさ:理念を効果的に顧客に伝えるには、優れたコミュニケーション戦略が必要。

例えば、ある企業が環境保護を掲げながらも、実際には環境に悪影響を及ぼすビジネスモデルを続けている場合、消費者から「グリーンウォッシング(偽善的な環境配慮)」として批判されるリスクがあります。

ミッションバリューの未来

ミッションバリューは、今後さらに重要性を増すと考えられます。特に、気候変動や社会的不平等といったグローバルな課題が深刻化する中で、企業が持続可能な未来に向けた行動を示すことが求められます。また、消費者や投資家が企業の社会的影響に注目する傾向が強まることで、ミッションバリューを核としたマーケティング戦略は競争優位性を高める要素となるでしょう。

さらに、AIやデジタル技術を活用してミッションを視覚的・インタラクティブに伝える方法が進化することで、消費者とのつながりを一層深めることが可能になると期待されています。これにより、企業と顧客の関係が単なる取引を超え、共通の価値を共有するパートナーシップへと発展する可能性があります。


▶販促・マーケ用語辞典TOPへ戻る



↑ページの上部へ戻る

ビジプリの印刷商品

ビジプリの関連サービス