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販促・マーケティングにおけるオウンドマーケティングとは?

販促・マーケティングにおけるオウンドマーケティング(おうんどまーけてぃんぐ、Owned Marketing / Marketing Propriétaire)とは、自社が保有する媒体や資産(ウェブサイト、ブログ、SNSアカウント、メールマガジンなど)を活用して、ユーザーとの関係を構築し、ブランドの認知度向上や販売促進を目指すマーケティング手法を指します。広告費に依存せず、顧客との直接的な接点を重視する点が特徴です。


オウンドマーケティングの歴史と背景

オウンドマーケティングの概念は、2000年代にデジタルマーケティングが急速に発展する中で生まれました。従来のマーケティング手法では、広告や広報活動を通じて認知度を高めることが主流でしたが、インターネットの普及により、企業が直接消費者にアプローチする手段が増加しました。

「オウンド(Owned)」という言葉は、自社が保有し、コントロールできる媒体を指します。2000年代初頭、SEO(検索エンジン最適化)やコンテンツマーケティングが注目される中で、オウンドメディアを中心に顧客と接点を持つ戦略が重要視されるようになりました。この流れの中で、オウンドマーケティングという言葉が広まりました。

2020年代に入り、SNSの普及やデータ分析技術の進化により、オウンドマーケティングの範囲はさらに拡大しています。特に、コロナ禍以降、リモート環境下での消費者行動が変化したことで、自社媒体を活用した効果的な情報発信の重要性が高まっています。

オウンドマーケティングのプロセスと特徴

オウンドマーケティングは、以下のプロセスを経て実行されます:

  • オウンドメディアの構築:企業が管理するウェブサイト、ブログ、SNSアカウントなどを作成します。
  • コンテンツの制作:ターゲットオーディエンスに価値を提供する情報(記事、動画、インフォグラフィックなど)を作成します。
  • SEO最適化:検索エンジンからの流入を増やすために、キーワードやサイト構造を最適化します。
  • データ収集と分析:ウェブ解析ツールを使用して、訪問者の行動や関心を把握します。
  • エンゲージメントの促進:SNSやメールマーケティングを活用し、顧客との関係を深めます。

オウンドマーケティングの特徴として、以下が挙げられます:

  • 低コスト:広告費用がかからないため、長期的な運用が可能です。
  • コントロール性:自社媒体のため、コンテンツやデザインを自由に調整できます。
  • 顧客との直接的な接点:中間業者を介さずに顧客とコミュニケーションを取れます。

現在のオウンドマーケティングの使われ方

現在のマーケティング分野では、オウンドマーケティングは以下のように活用されています:

  • コンテンツマーケティング:ターゲット顧客が求める情報を提供し、ブランドへの信頼感を高める。
  • SEO戦略:検索エンジン上位表示を目指して、キーワード最適化やコンテンツ制作を行う。
  • リードナーチャリング:メールマガジンやブログを活用し、見込み顧客を育成。
  • SNSマーケティング:FacebookやInstagramで自社アカウントを運用し、フォロワーとの関係を深める。
  • ブランドの声の発信:自社のビジョンや価値観を発信することで、消費者の共感を得る。

これらの活動では、Google Analytics、HubSpot、WordPress、Canvaなどのツールが使用されています。また、SNSのアルゴリズムに対応した投稿戦略や、パーソナライズドメールの送信も重要な取り組みです。

オウンドマーケティングのメリットと課題

オウンドマーケティングの主なメリットは以下の通りです:

  • ブランド力の向上:顧客との接点を直接持つことで、ブランドの価値を高められます。
  • 長期的な効果:オウンドメディアの積み上げにより、持続的な成果を期待できます。
  • 顧客データの活用:顧客の行動データを収集し、マーケティング戦略に反映できます。

一方で、以下の課題も存在します:

  • コンテンツ制作の負担:質の高いコンテンツを継続的に制作するには、時間とリソースが必要です。
  • 成果の即効性:短期的な結果を求める場合、オウンドマーケティングは効果が薄いことがあります。
  • 競争の激化:他社も同様の戦略を取るため、差別化が求められます。

オウンドマーケティングの未来

オウンドマーケティングは、AIやデータ分析技術の進化により、さらに高度化が期待されています。たとえば、顧客の行動を予測するモデルや、コンテンツの自動生成ツールが登場し、効率的な運用が可能になるでしょう。

また、プライバシー規制が強化される中で、Cookieを使用しないゼロパーティデータを活用したマーケティングが注目されています。顧客との直接的な信頼関係を築くオウンドマーケティングは、今後も重要性を増し続けると考えられます。


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