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販促・マーケティングにおけるコーズマーケティングとは?

要約

コーズマーケティング(こーずまーけてぃんぐ、Cause Marketing、Marketing de cause)」は、企業が社会的・環境的な課題(コーズ)を支援しながら、自社の商品やサービスをプロモーションするマーケティング手法を指します。これにより、企業は社会貢献とブランド価値の向上を同時に図り、消費者の共感を得ることを目指します。


コーズマーケティングの概要

コーズマーケティングは、企業が特定の社会的・環境的な課題を支援する活動を通じて、自社の商品やサービスをプロモーションする手法です。このマーケティング手法は、企業の商業的利益と社会的な責任を結びつけることで、消費者に対して強い共感を生み出し、ブランドロイヤルティを高める効果があります。具体的には、売上の一部を特定の慈善団体に寄付するキャンペーンや、環境保護活動の支援を目的とした製品の販売などが挙げられます。

コーズマーケティングの成功には、企業が支援するコーズが消費者の価値観と一致することが重要です。例えば、環境保護に関心の高い消費者に対して、リサイクル素材を使用した製品の販売を通じて、環境保護団体への寄付を行うキャンペーンを展開することが効果的です。このように、消費者が自らの消費行動を通じて社会貢献に参加できると感じることが、コーズマーケティングの鍵となります。

歴史と言葉の由来

「コーズマーケティング」という言葉は、1980年代にアメリカで広まりました。その起源としてよく知られているのは、1983年にアメリカン・エキスプレスが自由の女神像修復プロジェクトを支援するキャンペーンを展開したことです。このキャンペーンでは、クレジットカードの使用や新規申し込みに応じて修復資金を寄付する仕組みが導入され、大きな成功を収めました。この成功により、他の企業もコーズマーケティングに着目し、広く採用されるようになりました。

その後、企業の社会的責任(CSR)が重視されるようになる中で、コーズマーケティングは企業のブランディングやマーケティング戦略の一環として定着しました。21世紀に入ってからは、消費者の意識がより社会的・環境的な問題に向けられるようになり、コーズマーケティングの重要性はさらに増しています。現在では、多くの企業がサステナビリティや社会貢献をテーマにしたマーケティングキャンペーンを展開し、消費者との絆を強化しています。

コーズマーケティングの役割

コーズマーケティングの主な役割は、企業が社会的課題に取り組みながら、ブランドの認知度や信頼性を高めることです。この手法を通じて、企業は単なる商業活動を超えた社会的貢献を実現し、消費者からの信頼と共感を得ることができます。また、消費者は自らの購買行動が社会貢献につながることを実感できるため、より積極的に企業の製品やサービスを選択するようになります。

さらに、コーズマーケティングは企業の差別化戦略としても有効です。競争が激化する市場において、企業が特定の社会的課題にコミットすることで、他社との差別化を図り、ブランド価値を向上させることができます。また、コーズマーケティングは、従業員の士気向上や企業文化の強化にも寄与します。従業員が社会的意義を持つ活動に関与することで、企業への忠誠心が高まり、職場全体のモチベーションが向上します。

現在の使われ方

現在、コーズマーケティングは多くの業界で広く実践されており、その形態も多様化しています。環境保護、社会的平等、教育支援、健康促進など、さまざまなテーマでキャンペーンが展開されています。企業は、これらのテーマに基づく製品やサービスを提供し、その売上の一部を関連団体に寄付することで、社会的貢献をアピールしています。

また、デジタルプラットフォームの発展により、コーズマーケティングの影響力はさらに拡大しています。ソーシャルメディアを活用したキャンペーンや、クラウドファンディングを通じた支援活動が盛んに行われており、消費者はより身近に企業の社会貢献活動を感じることができるようになっています。これにより、消費者と企業の関係はますます深まり、コーズマーケティングはブランド戦略の中心的な要素として位置づけられています。


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