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販促・マーケティングにおける来店動機付けとは?

販促・マーケティングにおける来店動機付け(らいてんどうきづけ、Customer Incentives / Incitation à la Visite)とは、顧客が店舗を訪れるきっかけや理由を提供し、来店を促すための施策を指します。特典の提供、限定イベントの開催、新商品の発表など、さまざまな手法を通じて顧客に店舗訪問の動機を与えることを目的としています。このアプローチは、売上向上だけでなく、ブランド認知や顧客ロイヤルティの向上にも寄与します。


来店動機付けの歴史と言葉の由来

来店動機付けの起源は、19世紀の百貨店の普及期にまで遡ります。当時の百貨店は、商品の展示を工夫したり、季節ごとのイベントを開催することで、顧客の訪問を促していました。これが現在の「来店動機付け」の基本概念の発端とされています。

20世紀に入り、消費者マーケティングが発展する中で、来店動機付けの手法も多様化しました。特にアメリカでは、クーポンの配布やポイント制度が広まり、これらが顧客の購買意欲を刺激する重要な手段となりました。日本では、戦後の高度経済成長期に商店街や百貨店が販促イベントや特売セールを行い、多くの消費者を引きつけました。

来店動機付けの特徴と種類

来店動機付けには以下のような特徴があります:

  • 顧客心理の活用:限定感やお得感を提供することで、顧客の購買意欲を高めます。
  • ターゲットの明確化:顧客の嗜好や行動パターンを分析し、特定の層にアピールする施策を展開します。
  • 体験価値の提供:店舗での特別な体験を提供することで、リピーターを増やします。

主な来店動機付けの種類には以下があります:

  • クーポンや割引:購入金額に応じた特典や限定価格を提供し、来店を促進します。
  • イベントやフェア:新商品の試食会やセール、シーズンイベントを開催。
  • 会員特典:リワードプログラムやポイントキャンペーンを通じて、常連客の来店を誘導します。
  • 体験型プロモーション:店舗でのワークショップや実演販売を通じて、商品の魅力を直接伝えます。

来店動機付けの現在の活用方法

現代では、来店動機付けは以下のように進化しています:

  • デジタルツールの活用:アプリを通じてクーポンを配布したり、位置情報を活用して近隣顧客にプッシュ通知を送る。
  • パーソナライズされたオファー:顧客データを分析し、それぞれの嗜好に応じた特典を提供。
  • ソーシャルメディア連携:SNSで限定情報を発信し、共有を促進することで新規顧客の来店を誘導。

例えば、大手コーヒーチェーンはアプリでスタンプカード機能を提供し、来店ごとにスタンプを付与。一定数のスタンプを集めると無料商品をプレゼントする仕組みを採用しています。また、ファッションブランドは、SNSでフォロワー限定の招待イベントを告知し、集客に成功しています。

来店動機付けの課題と未来

来店動機付けには以下の課題があります:

  • 競争の激化:他社も同様の施策を行う中で、独自性のあるアプローチが求められます。
  • コストの問題:割引や特典を提供することで利益率が低下する可能性があります。
  • 効果測定の難しさ:来店動機付け施策が売上に与えた影響を正確に測定することが困難です。

これらの課題に対応するため、企業はAIを活用したデータ分析や効果測定を導入し、より効率的な施策を追求しています。また、環境への配慮を重視した来店動機付け(エコバッグ配布など)も注目されています。

来店動機付けは、消費者の行動を直接的に促す重要な手法として、今後も多様な形で進化していくでしょう。デジタル技術の進展により、より精密で効果的な施策が可能となり、企業と顧客の関係をさらに強化する役割を果たすことが期待されています。


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