【位置調整】ビジプリ印刷用語辞典

位置調整とは？

印刷業界における「位置調整」（ふりがな：いちちょうせい、英：Position Adjustment、仏：Réglage de Position）とは、印刷物のデザインやテキスト、画像などが指定された位置に正確に配置されるように、印刷機の設定や版の位置を微調整する作業を指します。位置調整は、ズレのない高品質な印刷物を作るために不可欠であり、特に多色印刷や両面印刷で重要な工程とされています。

位置調整の概要

「位置調整」は、印刷機上での印刷物のデザイン要素が正確な位置に配置されるようにするための調整作業です。印刷の際、用紙と印刷版の位置が少しでもズレると、文字や画像がずれて印刷されてしまうことがあります。これを防ぐため、位置調整が必要となり、特にポスターやカタログなどの高品質な印刷物では、デザインが正確に再現されることが求められます。

位置調整は、印刷機の操作パネルやソフトウェアで行うことが一般的です。印刷版のセットアップ時に位置を微調整し、試し刷りを行いながら正確な位置に合わせます。デジタル印刷機やオフセット印刷機では、位置調整機能が搭載されており、製品の品質を維持するために必要不可欠な工程です。

位置調整のプロセスと具体例

位置調整のプロセスは、印刷前の試し刷り（プルーフ）から始まります。試し刷りで印刷内容のズレが確認された場合、用紙の位置や印刷版の設定を微調整し、ズレを修正します。印刷機には、用紙のフィーダーや版の位置を細かく調整できる機能が備わっており、これを使用して用紙と版が正確に合うように位置を合わせます。

具体的な例として、四色印刷（CMYK）を行う場合、各色の印刷版が少しでもズレると、色が重なり合わずにぼやけた印象になることがあります。このズレを防ぐために、位置調整を繰り返し行い、各色の版が正確に重なるように調整します。また、両面印刷では、表と裏の印刷位置が一致するように調整することで、ズレがなく仕上がりが美しい印刷物を作ることができます。

位置調整の歴史と発展

位置調整の技術は、印刷技術の進化と共に発展してきました。手動の活版印刷が主流だった時代には、職人が手作業で印刷版をセットし、微調整を行っていました。しかし、工業化が進むにつれて、印刷機に位置調整のための機構が組み込まれるようになり、作業の効率と精度が向上しました。

20世紀には、オフセット印刷機の登場により、位置調整の自動化が進みました。さらに、デジタル印刷技術の発展により、画像処理ソフトウェアや自動位置検出機能が搭載され、印刷物の品質が向上しました。現在では、AIや画像認識技術が活用され、位置調整が自動で行われる印刷機も登場しており、印刷業界全体で効率化が進んでいます。

現在の位置調整の重要性と使用例

現在、位置調整は印刷物の品質を保証するための基本的な工程とされています。商業印刷や出版物のように、ズレが生じると品質が低下する印刷物では、正確な位置調整が重要です。特に、雑誌やカタログ、広告の印刷では、画像やテキストが正確に配置されることが視覚的なインパクトに繋がるため、位置調整は必須です。

また、パッケージ印刷においても、位置調整はブランドロゴや製品情報が正確に表示されるために重要です。商品ラベルや包装紙のデザインがズレると、ブランドイメージが損なわれる恐れがあるため、精密な位置調整が行われています。このように、位置調整は印刷物の信頼性や品質を維持するために欠かせない技術となっています。