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浮出しとは?


印刷業界における浮出しとは?(うきだし、Embossing、Gaufrage)

浮出しとは、紙や他の印刷素材の表面に、特定のデザインや文字を浮き上がらせる技法です。主に紙の表面に凹凸をつけて、視覚的および触覚的な効果を生み出します。これにより、印刷物に高級感や立体感が加わり、デザインの一部を強調することができます。浮出しは、名刺、招待状、パッケージなどで広く使用されています。

浮出しの歴史と由来

浮出し技術は、古くから装飾技法として使用されてきました。特に西洋では、中世の書物や絵画において、金箔や装飾を施す際に浮出し技術が用いられていました。この技法は、当初は手作業で行われており、職人が細部までこだわってデザインを浮き上がらせていました。

印刷技術の発展に伴い、浮出し技術も機械化され、広範囲で利用されるようになりました。19世紀末から20世紀初頭にかけて、産業革命による機械の進化が印刷業界に大きな影響を与え、浮出し技術もより精密で効率的に行えるようになりました。

浮出しの構成と役割

浮出しは、以下の要素によって構成されています:

  • 版: 浮出しのデザインを形成するための金属製または樹脂製のが使用されます。
  • 圧力: と紙の間に適切な圧力をかけることで、デザインが紙に浮き上がります。
  • 素材: 紙の種類や厚みによって、浮出しの効果が異なります。特に厚手の紙が使用されることが多いです。
  • インキ: 一般的に、浮出し自体にはインキを使用しませんが、時には色を加えるためにインキを併用することもあります。

浮出しは、印刷物に視覚的なアクセントを加えるだけでなく、触覚的な効果も提供します。この技術を用いることで、製品やブランドの高級感や独自性を強調することが可能です。

浮出しの現在の使われ方

現在の印刷業界では、浮出しはさまざまな用途で広く使用されています。特に高級印刷物やブランディング目的でのパッケージデザインにおいて、浮出し技術は重要な役割を果たしています。名刺や招待状、パッケージ、さらには書籍の表紙など、さまざまな印刷物に浮出しが施されています。

デジタル印刷技術の進化により、浮出し効果をシミュレートしたデジタル技法も登場しており、これによりより複雑なデザインが可能になっています。また、環境に配慮した紙や素材の使用と組み合わせて、持続可能な印刷物の作成にも貢献しています。

浮出しは、今後も印刷業界において、視覚的および触覚的なデザインの重要な要素として、広く活用され続けるでしょう。

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