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印刷業界におけるイメージスキャナーとは?

印刷業界における「イメージスキャナー」(ふりがな:いめーじすきゃなー、英:Image Scanner、仏:Scanner d'Image)とは、写真やイラストなどの視覚的な素材をデジタルデータに変換する装置を指します。印刷物の制作過程において、原稿を高解像度で読み取り、色調や階調を正確に再現するために使用されます。この技術は、デジタル化の進展とともに印刷業界で欠かせない存在となっています。


イメージスキャナーの概要

イメージスキャナーは、光学センサーを用いて原稿を走査し、その視覚情報をデジタルデータとして保存する装置です。このデータはDTP(デスクトップパブリッシング)やプリプレス工程で使用され、印刷物の品質に直接影響を与えます。

  • 種類:フラットベッドスキャナー、ドラムスキャナー、フィルムスキャナーなど。
  • 機能:高解像度スキャン、色補正、トーンカーブの調整。
  • 用途:ポスター、カタログ、書籍、パッケージデザインの原稿取り込み。

イメージスキャナーの歴史と由来

イメージスキャナーの歴史は、20世紀中頃の写真複写技術の発展に端を発します。1960年代には電子的に画像を読み取るドラムスキャナーが登場し、印刷業界で革新的なツールとなりました。

1970年代から1980年代にかけて、デジタル技術の進化によりスキャナーの性能が向上し、フラットベッドスキャナーやフィルム専用のスキャナーが開発されました。これにより、幅広い種類の原稿を効率的にデジタル化できるようになり、デスクトップパブリッシングの普及とともに印刷業界における標準ツールとなりました。

現在のイメージスキャナーの使われ方

現代の印刷業界では、イメージスキャナーは以下のような用途で活用されています:

  • 写真やイラストのスキャン:印刷物に使用する原稿を高解像度でデジタル化し、加工やレイアウトに使用。
  • フィルムやポジの取り込み:過去のアナログフィルムやポジをデジタルデータに変換し、再印刷やアーカイブに利用。
  • 色補正作業:スキャンしたデータを画像編集ソフトで加工し、印刷に適した色調や明度に調整。
  • プリプレス工程:デジタル化したデータをDTPソフトに組み込み、印刷用データとして最適化。

イメージスキャナーの利点と課題

イメージスキャナーには以下のような利点があります:

  • 高解像度なデータ化:細部まで正確にスキャンできるため、印刷物のクオリティを維持できます。
  • 効率的な作業:手作業でのトレースや複写を省略し、デジタルデータとして即座に加工可能。
  • 幅広い素材への対応:写真、イラスト、フィルムなど、さまざまな素材を取り込むことが可能です。

一方で、以下の課題も存在します:

  • 初期コスト:高性能なスキャナーは高額で、導入費用が課題となります。
  • 専門知識の必要性:スキャン時の設定や色補正には専門的な知識が求められます。
  • アナログ原稿の劣化:古い原稿の場合、劣化が進んでいると正確なスキャンが難しいことがあります。

まとめ

イメージスキャナーは、印刷業界において視覚素材をデジタル化し、加工や印刷に活用するための重要なツールです。その歴史は1960年代のドラムスキャナーに始まり、デジタル技術の進化とともに多機能化してきました。現在では、品質を重視した印刷物制作に欠かせない存在となっていますが、運用にはコストや専門知識が求められる点もあります。適切な活用により、印刷物の品質と効率を大幅に向上させることができます。

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