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印刷業界における打抜きとは?

印刷業界における打抜き(うちぬき、Die Cutting / Découpage)とは、専用の刃型を使用して印刷物やパッケージ素材を特定の形状に切り抜く加工方法を指します。この技術は、製品に独自性を与え、機能性やデザイン性を高めるために広く活用されています。打抜きは、主に紙器、ラベル、パッケージデザインなどで使用され、商品価値を引き立てる重要な工程です。


打抜きの歴史と言葉の由来

打抜きの技術は、19世紀後半の工業化とともに発展しました。当初、手作業で行われていた製品の型抜き作業が、産業革命による機械化で効率的に行えるようになりました。この技術は、特に印刷パッケージ産業での需要が高まり、刃型を用いた「ダイカット」として進化しました。

日本において「打抜き」という言葉が使われるようになったのは、型を使って紙や布を切り抜く技術が普及してからのことです。「打つ」という動作から、刃型で圧力を加えて切り抜く様子を表現しています。英語の「Die Cutting」は「型(ダイ)」と「切る(カッティング)」を組み合わせた名称で、仏語の「Découpage」は「切り抜き」という意味を持ちます。


打抜きの特徴と工程

打抜きは以下のような特徴があります:

  • 形状の自由度:丸、星型、複雑な模様など、多様な形状を実現。
  • 正確性:刃型による精密な加工が可能。
  • 大量生産への対応:機械を使用することで、同じ形状を大量に生産。

打抜きの工程は以下のように進行します:

  • 製品デザインに基づいて刃型を作成。
  • 印刷済みの素材を打抜き機にセット。
  • 刃型で素材を圧力をかけて切り抜き、不要部分を取り除く。

これらの工程を通じて、製品は完成形へと仕上がります。特に、パッケージや広告用素材の制作においては、重要なプロセスです。


現在の打抜き技術と用途

現代の打抜き技術は、デジタル技術の進化とともに多様化しています。従来の刃型を用いた打抜きに加え、レーザーカットなどの非接触型の技術が登場し、小ロット生産や試作品制作にも適しています。また、以下のような用途で広く利用されています:

  • パッケージ製品:箱やラベル、商品パッケージのデザイン加工。
  • 販促ツール:フライヤーや名刺、特殊な形状の広告素材。
  • 工業製品:ガスケットやパッキンなど、紙以外の素材への応用。

これにより、製品の付加価値を高め、消費者の注目を集めることが可能です。


印刷業界における打抜きの意義

打抜きは、製品に独自性を与え、ブランドのイメージを強化するために欠かせない工程です。また、機能性の向上にも寄与し、消費者にとって便利で魅力的な製品の提供を可能にします。さらに、エコ素材やリサイクル可能な素材を用いることで、環境に配慮した製品開発にも貢献しています。

今後も、デザインや技術の進化とともに、打抜きは印刷業界でますます重要な役割を果たしていくことでしょう。

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