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バンディングとは?

印刷業界における「バンディング」(ふりがな:ばんでぃんぐ、英:Banding、仏:Banding)とは、印刷物の画像やグラデーション部分で発生する色の段差や横筋状のムラのことを指します。バンディングは、インクの濃淡が均一に再現されない場合に生じ、画像や背景のグラデーションに不自然な縞模様が現れる現象です。高品質な印刷物を目指す際には、バンディングを防ぐことが重要であり、プリンターの調整やデータの最適化が必要です。


バンディングの概要

「バンディング」は、印刷やデジタル出力で生じる色の不連続現象で、特に背景やグラデーションの滑らかさが重要な場面で問題となります。バンディングが発生すると、自然な色合いの移り変わりが遮られ、画像やデザインの見栄えが悪くなるため、製品の品質に影響します。このため、印刷物の仕上がりが重要視されるポスター、カタログ、広告などでは、バンディングを防ぐための工夫が必要です。

バンディングの発生原因と対策

バンディングの主な原因には、プリンターの不具合、解像度不足、データの設定ミスなどがあります。インクジェットプリンターやデジタル印刷機では、インクの噴射が不均一になると横筋が生じやすく、これがバンディングの原因となります。また、印刷データの解像度が低い場合や、カラー階調が限られている場合、色が滑らかに再現されず、バンディングが発生します。

対策として、解像度を上げたり、カラープロファイルを適切に設定したりすることで、バンディングを抑えることが可能です。さらに、高品質のプリンターを使用することでインクの噴射精度が向上し、ムラが少なくなります。また、印刷前にデータのグラデーション設定を見直し、ソフトウェアで滑らかな階調を再現できるように調整することも重要です。

バンディングの歴史と発展

バンディングという現象は、印刷業界においてはデジタル印刷技術が普及し始めた1980年代以降、注目されるようになりました。それ以前のオフセット印刷では、版やインクの濃度管理によって階調を表現していたため、デジタル特有のバンディング問題は発生しにくいものでした。しかし、デジタルプリンターが主流になると、インクジェット方式やレーザープリントにおける噴射精度が課題となり、バンディングが品質上の問題として認識されるようになりました。

1990年代には、カラーマネジメントシステムやプリンターの精度向上によってバンディング抑制技術が進化し、ソフトウェアの階調補正機能も向上しました。また、最近ではAI技術を活用したバンディング補正も行われ、バンディングを自動的に検出・修正する仕組みが一部のプリンターで実現されています。

現在のバンディングの使用例と重要性

現在、バンディング対策は、印刷業界で高品質な印刷物を提供するための基本的な取り組みの一つとなっています。特に、ブランドイメージが重要な企業のパンフレットや、細かい階調表現が求められるアートブック、広告デザインなどでは、バンディングがない滑らかな仕上がりが求められます。そのため、印刷会社やデザイナーは、印刷データ作成時にバンディングが発生しにくいグラデーションを作成し、プリンターの設定も最適化することで品質管理を行っています。

また、印刷会社では、デジタルプリンターやソフトウェアのアップデートを適切に行うことでバンディングの発生を防ぎ、顧客の求める品質基準を満たす取り組みが行われています。バンディングは印刷物の評価や信頼に直結するため、今後も精度の高い印刷技術の追求が続くと考えられます。

まとめ

バンディングは、印刷物の品質を左右する重要な要素であり、印刷業界におけるデジタル印刷の普及と共に生じた課題です。バンディングを防ぐためには、高解像度でのデータ作成やプリンターの精度向上、適切なカラーマネジメントが必要です。現在では、ソフトウェアやAIを活用した補正技術により、バンディングの発生が抑えられています。今後も印刷技術の進化により、さらに高品質な印刷物が提供されることでしょう。

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