別丁装備とは？ビジプリ印刷用語辞典

印刷業界における別丁装備とは？

印刷業界における『別丁装備』とは、「べっちょうそうび」と読み、英語では「Separate Gathering Equipment」、フランス語では「Équipement de rassemblement séparé」と表記されます。主に製本工程で使用される装置や技術を指し、特定のページやパーツを通常のページ順序から外して別途配置・処理するために用いられます。高精度な組み合わせが求められる製品や複雑な冊子に欠かせない工程です。

『別丁装備』の起源と歴史

『別丁装備』の概念は、大量印刷が広がった19世紀後半に登場しました。当初、複雑なページ構成を持つ冊子や書籍の需要が増え、手作業での処理が困難になったため、自動化の必要性が高まりました。初期の別丁装備は、シンプルな分離と整理を手動補助する装置として使われていましたが、20世紀に入り、自動化と機械化が進む中でその役割は進化しました。

現代の別丁装備は、デジタル技術を取り入れることで、さらに精密な操作と高い生産性を実現しています。特にオンデマンド印刷や少部数印刷の普及によって、個別対応が求められるケースが増え、『別丁装備』の重要性が一層高まっています。

『別丁装備』の仕組みと特徴

『別丁装備』の主な仕組みは、印刷されたシートや部材を特定の基準で分離し、適切に配置することです。これにより、通常のページ順序に従わない冊子や特定の挿入物が必要な製品の製本が可能になります。装置には、高速で動作するフィーダー、精密な位置調整機能、そしてエラーを防止するためのセンサー技術が組み込まれています。

例えば、あるカタログの中にクーポンページを挿入する場合や、多言語版の同時製本で異なる言語ページを選別する際、『別丁装備』が活躍します。このような工程が正確に行われることで、エンドユーザーに届ける製品の品質が確保されます。

現在の用途と『別丁装備』の重要性

現在、『別丁装備』は雑誌、カタログ、教材、記念冊子など幅広い分野で使用されています。特に複数のパートを組み合わせて製本する製品では、効率的でエラーの少ない工程が求められます。そのため、最新の別丁装備装置は、生産性だけでなく、デジタル管理によるトレーサビリティやエコ対応の強化も図られています。

また、オンデマンド印刷やプロモーション印刷など、少量多品種対応が主流となる中、『別丁装備』の精度と柔軟性が製品の差別化要因となっています。これにより、印刷会社は顧客のニーズに応じた高度な対応が可能となり、信頼を築く基盤となっています。

言葉の由来とその意味

『別丁装備』の「別丁」は、「別に取り扱うページや丁（シート）」を指し、「装備」はそれを実現するための機械や装置を意味します。この用語は日本独自の表現であり、海外では「Selective Binding」や「Custom Inserting」として知られています。この名前からも分かるように、分離とカスタム化がキーワードとなっています。

言葉の由来は、製本の工程において、通常の綴じ作業から分離して特別に処理する段階が「別丁」と呼ばれていたことに由来します。その後、技術の発展により専用の装置が開発され、今日では製本工程の重要な一部となっています。