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ホワイトバランスとは?

印刷業界における「ホワイトバランス」(ふりがな:ほわいとばらんす、英:White Balance、仏:Balance des Blancs)とは、印刷物の色合いを自然に見せるために、白色を基準として色温度や色の偏りを調整するプロセスを指します。写真や画像の印刷において、ホワイトバランスを適切に設定することで、白が白らしく見えるようにし、他の色も正確に再現できるようになります。


ホワイトバランスの概要

ホワイトバランスは、印刷物において色の忠実な再現を目的とする重要な工程です。デジタル画像では、撮影時の光源によって白色が青みがかったり黄みがかったりするため、これを補正し、自然な色合いに調整するのがホワイトバランスの役割です。印刷工程でも、同様に白色を基準に色補正を行うことで、紙やインクの特性によって色が変わるのを防ぎ、印刷物が見たままの色に近い状態に仕上がるようにします。

ホワイトバランスの歴史と由来

ホワイトバランスの概念は、写真の分野で最初に発展しました。フィルムカメラの時代には、白色を基準にして色温度を調整する手段が限られていたため、光源ごとに異なるフィルムを使い分けるなどの方法で色補正が行われていました。しかし、デジタルカメラの普及に伴い、ホワイトバランスの調整が一般的な操作として定着しました。デジタル技術により白色を基準とした色補正が容易になり、印刷の分野でもこれが取り入れられました。

印刷業界でのホワイトバランスは、デジタル画像の調整やカラーマネジメントシステム(CMS)の導入とともに普及しました。現在では、印刷前のデータ段階でホワイトバランスを調整し、インクの発色や紙の白さに合わせて色の見え方を微調整することが一般的です。

ホワイトバランスの具体的なプロセス

ホワイトバランスのプロセスは、デジタルデータの色温度を適切に調整することから始まります。画像編集ソフトウェア(Adobe Photoshopなど)では、色温度を調整して白色を自然に見せる機能が用意されています。この際、基準として設定する「白」を決定することが重要で、背景の白や被写体の白い部分を参照して色補正が行われます。

印刷物の場合、紙の種類やインクの特性も考慮しながらホワイトバランスが調整されます。たとえば、少し黄みがかった紙を使用する場合、画像データの白色が紙の色味に影響されないように、やや青みを強めて補正することで、印刷物が実際に目に見える「白」に近くなるようにします。これにより、印刷後の仕上がりが自然な色合いに保たれます。

現代におけるホワイトバランスの重要性

現在、ホワイトバランスは、印刷業界におけるカラーマネジメントの一環として重要な役割を果たしています。特にカタログや広告用ポスターなど、商品写真が含まれる印刷物では、ホワイトバランスの調整により商品そのものの色合いや質感を忠実に再現することが求められます。正確な色再現が求められるため、ホワイトバランスの設定は品質管理の重要なプロセスです。

さらに、環境光の影響を受けにくい屋内外での展示や、長期間色を保つ必要がある印刷物にもホワイトバランスの調整が有効です。ホワイトバランスを適切に調整することで、照明条件に関わらず正確な色が保持され、色の信頼性が向上します。

まとめ

ホワイトバランスは、印刷物における色再現の精度を高めるための重要なプロセスであり、印刷業界における品質基準の一部となっています。写真の分野から発展したこの技術は、デジタル時代の進化により印刷業界にも取り入れられ、紙の特性やインクの発色を考慮して色の見え方を最適化します。ホワイトバランスは、印刷物の仕上がりを自然な色合いに保ち、消費者にとっての視覚的な信頼性を確保するために、今後も重要性を増していくでしょう。

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