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カラーマッチング基準とは?

印刷業界における「カラーマッチング基準」(ふりがな:からーまっちんぐきじゅん、英:Color Matching Standard、仏:Norme de Correspondance des Couleurs)とは、印刷物がデザインされた色と正確に一致するように、色再現の基準を定めた規格や方法を指します。この基準は、印刷工程で色のばらつきを防ぎ、意図した色味を一貫して再現することを目的としています。色の安定した再現を確保するために、ICCプロファイルや特定の照明条件、標準印刷ガイドラインなどが使用されます。


カラーマッチング基準の概要

カラーマッチング基準とは、印刷物がデザイナーやクライアントが意図した色合いと一致するように、色の一貫性と正確さを確保するための指針です。印刷業界においては、印刷機器やインク、紙の種類などさまざまな要因が色に影響を与えるため、これらの要素を統一するための標準規格が必要です。

カラーマッチング基準は、色を数値で定義し、特定の環境下での色の見え方を統一するためのものです。この基準があることで、印刷物が異なる印刷機や環境で製作されても、同じ色が再現されるように管理されます。国際的にはISO 12647やICCプロファイルが、印刷における主要なカラーマッチング基準として用いられています。

カラーマッチング基準の歴史と背景

カラーマッチング基準の歴史は、印刷技術の発展と共に進化してきました。19世紀後半のカラー印刷技術の登場により、色再現の精度が求められるようになり、各印刷所が独自に色調整を行っていましたが、色の一貫性を保つことが困難でした。

20世紀中盤に入ると、印刷業界での色再現の標準化の必要性が高まり、各国の印刷業団体が色管理基準を策定し始めました。1980年代からはデジタル印刷技術が普及し、ICC(International Color Consortium)が設立され、デジタル画像や印刷のためのカラーマッチング基準としてICCプロファイルが導入されました。これにより、異なる印刷環境でも色の一致が保たれるようになり、現在では世界中で広く利用されています。

カラーマッチング基準の方法とプロセス

カラーマッチング基準を設定するためには、まず標準的な色の指標を決定します。このために用いられるのが、カラープロファイル(ICCプロファイル)やISO規格です。ICCプロファイルを使うことで、各デバイスの色特性に合わせた色変換が可能となり、印刷物がモニターや印刷機ごとに異なる色を表示しても、基準色に近づけることができます。

また、カラーマッチングには特定の光源(D50照明など)を使用し、色の見え方が均一になるようにします。印刷工程では、この照明下で色見本と印刷物を比較し、基準に合致しているかを確認します。さらに、色校正の段階でカラーマッチング基準を用いることにより、クライアントと印刷会社が共通の色確認を行えるようになり、期待通りの色を保証することができます。

現在のカラーマッチング基準の重要性と使用例

今日では、カラーマッチング基準は商業印刷や広告、パッケージ印刷など、色の一貫性が求められる場面で非常に重要です。例えば、ブランドカラーが明確に決められている企業では、製品パッケージや広告において、カラーマッチング基準に基づいた色再現が欠かせません。これにより、消費者に対してブランドの統一性と信頼性を維持することができます。

また、デジタル印刷とオフセット印刷の両方を併用する場合でも、カラーマッチング基準を適用することで、異なる印刷方式間での色のばらつきを抑えられます。カタログやポスターなど、複数のメディアで統一された色を再現するために、カラーマッチング基準は重要な役割を果たしています。

まとめ

カラーマッチング基準は、印刷物が期待通りの色で仕上がるようにするために欠かせない基準です。歴史的には、印刷技術の進化と共に発展し、ICCプロファイルやISO規格などの国際基準を用いることで、印刷業界での色の一貫性が確保されるようになりました。カラーマッチング基準は、今後も品質の高い印刷物の提供と、ブランドイメージの維持に寄与し続けるでしょう。

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