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印刷業界における合掌シール製袋とは?

印刷業界における合掌シール製袋(がっしょうしーるせいふくろ、Lap Seal Bag Making / Soudure en Chevalet)とは、包装袋の製袋技術の一つで、の両端を重ね合わせて接着する製法です。これにより、袋の側面をシームレスに仕上げ、強度と密封性を向上させることができます。食品や日用品、医薬品などのパッケージングに広く用いられ、特に防湿性や耐久性が求められる製品に適しています。


合掌シール製袋の歴史と背景

合掌シール製袋の技術は、1950年代にプラスチックフィルムの加工技術が発展する中で登場しました。それ以前は、包装袋の製法としてサイドシールやセンターシールが主流でしたが、これらの製法では接着部分が厚くなり、包装材の無駄が生じていました。合掌シールは、フィルムの重なり部分を最小限に抑えつつ、接着強度を高めることができるため、効率的かつ経済的な製袋方法として注目されました。

1970年代から1980年代にかけて、食品パッケージングの需要が急増する中で、合掌シール技術は急速に普及しました。この技術は、特にスナック菓子や乾燥食品の包装において、その防湿性と密封性の高さから広く採用されました。また、軽量で柔軟なプラスチックフィルムの使用により、物流コストの削減にも貢献しました。

合掌シール製袋の特徴と利点

合掌シール製袋の主な特徴は以下の通りです。

1. 高い密封性: 合掌シールは袋の両端を重ね合わせて密封するため、外部からの湿気や空気の侵入を防ぎます。これにより、食品の鮮度を長期間保持することができます。

2. 強度の向上: 重ね合わせた部分が接着されることで、サイドシールに比べて袋の強度が向上し、内容物の漏れや破損を防ぎます。

3. 材料の節約: 合掌シールは、フィルムの使用量を最小限に抑えることができ、無駄のない包装を実現します。また、シール部分の厚みが抑えられるため、平らな仕上がりになります。

4. 環境負荷の軽減: フィルムの使用量が少ないため、廃棄物の削減に貢献し、環境に配慮したパッケージングとしても評価されています。

合掌シール製袋の用途

合掌シール製袋は、以下のような用途で幅広く活用されています。

1. 食品パッケージ: スナック菓子、インスタント食品、冷凍食品、コーヒー豆など、防湿性や密封性が求められる食品に適しています。

2. 医薬品・化粧品: 医薬品や化粧品のパッケージにも使用され、内容物の品質保持や衛生管理に貢献しています。

3. 日用品・家庭用品: 洗剤や芳香剤、湿気に弱い製品の包装においても、合掌シール製袋の技術が活用されています。

4. 工業製品: 小型部品や電子部品など、湿気や汚染から保護するための包装としても利用されています。

合掌シール製袋の課題と未来

合掌シール製袋には、いくつかの課題も存在します。例えば、製袋工程では高温のシール処理が必要なため、エネルギー消費が増加しやすい点が挙げられます。また、リサイクルが難しい多層フィルムが使用されることが多いため、環境負荷の低減が課題となっています。

しかし、近年では環境に配慮した素材の開発が進んでおり、再生可能なプラスチックフィルムや、生分解性フィルムの使用が拡大しています。また、AI技術を活用した製袋機の自動化により、生産効率の向上が期待されています。これにより、合掌シール製袋はさらに多様な分野での利用が進み、持続可能なパッケージングとして進化していくことでしょう。

合掌シール製袋は、印刷業界やパッケージング業界において、これからも重要な役割を果たし続ける技術です。その高い密封性と効率性により、今後もさまざまな業界での需要が期待されています。

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