ビジプリ > 印刷用語辞典 > か行 > 【環境保護印刷推進協議会】

印刷業界における環境保護印刷推進協議会とは?

印刷業界における環境保護印刷推進協議会(かんきょうほごいんさつすいしんきょうぎかい、Environmental Printing Promotion Council / Conseil de promotion de l'impression écologique)とは、印刷業界における環境保護活動を推進するために設立された団体です。持続可能な印刷技術の普及や環境負荷の低減、業界全体の意識向上を目的として活動しており、グリーン印刷認定制度の運用や環境教育の実施を行っています。


環境保護印刷推進協議会の歴史と設立背景

環境保護印刷推進協議会は、2000年代初頭に設立されました。産業界全体で環境問題への関心が高まる中、印刷業界も原材料の消費や化学物質の使用による環境負荷が指摘されるようになり、環境保護の取り組みが急務となりました。この背景を受け、業界団体や企業が連携して環境に配慮した印刷技術の普及を目指すために協議会が組織されました。

設立当初は、印刷工程で使用されるインクや溶剤、用紙の選定に焦点を当てた活動が中心でしたが、その後、カーボンフットプリントの削減やリサイクルの促進など、持続可能な印刷を実現するための幅広い取り組みへと拡大しました。

環境保護印刷推進協議会の主な活動内容

環境保護印刷推進協議会の活動は以下のように多岐にわたります。

1. グリーン印刷認定制度の運用: 環境に配慮した印刷物を生産する企業や印刷物に認定マークを付与する制度を運用しています。これにより、消費者や取引先が環境配慮型の商品を選択しやすくなります。

2. 環境教育と研修の実施: 印刷業界の従業員を対象に、環境保護に関する教育や研修を実施しています。これには、エコマテリアルの使用方法や省エネ技術の導入に関するトレーニングが含まれます。

3. ガイドラインの作成: 環境に優しい印刷工程の基準や、化学物質の管理に関するガイドラインを策定し、業界全体に共有しています。

4. 情報発信と啓発活動: 環境問題や印刷業界の取り組みに関する情報を広く発信することで、消費者や企業の意識向上を図っています。展示会やフォーラムの開催も行っています。

印刷業界における環境保護印刷推進協議会の役割

環境保護印刷推進協議会は、印刷業界において以下のような役割を果たしています。

1. 環境基準の標準化: 業界全体で統一的に取り組むべき環境基準を策定し、企業間の取り組みを調和させています。

2. 技術革新の推進: 環境負荷を低減する新しい印刷技術の研究や、企業間の技術共有を支援しています。これにより、業界全体の技術力が向上します。

3. 持続可能なサプライチェーンの構築: 用紙やインクなどのサプライヤーと連携し、環境に配慮した原材料の調達を推進しています。

環境保護印刷推進協議会の課題と未来

環境保護印刷推進協議会の活動には以下のような課題があります。

1. 中小企業への普及: 環境配慮型の技術や取り組みは、大企業に比べて中小企業での普及が遅れる場合があります。これを解決するための支援が必要です。

2. コストの課題: 環境に優しい原材料や設備の導入には初期投資が必要であり、経済的な負担が企業にとっての障壁となることがあります。

3. 消費者意識の向上: 環境保護印刷の取り組みを理解し、選択する消費者を増やすための啓発活動が引き続き求められます。

未来に向けて、環境保護印刷推進協議会は、AIやデジタル技術を活用した省エネ技術の開発や、カーボンニュートラルを目指す取り組みを加速させると期待されています。また、国際的な環境基準と調和した活動を進めることで、日本の印刷業界が持続可能な成長を遂げるための一翼を担うでしょう。環境保護印刷推進協議会は、業界と社会の橋渡し役として、今後も重要な役割を果たしていくと考えられます。

▶印刷用語辞典TOPへ戻る



↑ページの上部へ戻る

ビジプリの関連サービス