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マスターページとは?

印刷業界における「マスターページ」(ふりがな:ますたーぺーじ、英:Master Page、仏:Page Maître)とは、デザインソフトウェアで作成されるテンプレートページのことを指し、複数ページに共通の要素を効率的に配置するために使用されます。マスターページにはヘッダーやフッター、ページ番号、ロゴなど、全ページに共通で適用したいデザイン要素が設定され、各ページでの作業時間を削減し、レイアウトの統一性を保つ役割を果たします。


マスターページの概要

「マスターページ」は、印刷物の制作において効率化と統一感を実現するための基本的な機能です。雑誌やカタログ、パンフレットのような複数ページにわたるデザイン作業では、ページごとに同じヘッダーやフッター、ページ番号を手動で追加するのは時間がかかります。そこでマスターページを用いることで、デザインの一貫性を保ち、編集作業を大幅に簡略化できます。

マスターページのプロセスと方法

マスターページの設定には、Adobe InDesignやQuarkXPressといったDTP(デスクトップパブリッシング)ソフトウェアが広く利用されています。デザイナーは最初にマスターページを作成し、ヘッダーやフッター、ページ番号、ロゴなどの共通要素を配置します。これらの要素は、ドキュメント全体の各ページに自動的に適用されるため、すべてのページで一貫したデザインが維持されます。

さらに、マスターページを複数作成し、セクションごとに異なるレイアウトを適用することも可能です。例えば、目次ページと本文ページで異なるレイアウトを設定したい場合、それぞれに適したマスターページを作成し、特定のページに適用することができます。こうした柔軟性により、複雑なレイアウトでも効率よく管理できます。

マスターページの歴史と進化

マスターページの概念は、印刷のデジタル化とDTPの普及とともに発展してきました。1980年代以前、印刷物のレイアウトは手作業で行われ、共通のデザイン要素を各ページに配置するために膨大な時間がかかっていました。1980年代に入ると、DTPソフトウェアが登場し、デジタル上でレイアウトを管理できるようになりました。特に、QuarkXPressやAdobe PageMakerなどのソフトウェアがマスターページ機能を提供し始め、デザイン業務が劇的に効率化されました。

その後、1990年代にAdobe InDesignが登場し、より高度なマスターページ機能が追加されました。これにより、ページ数が多いドキュメントの制作や、デザイン変更時の更新が容易になり、印刷業界全体でマスターページの利用が広がりました。現在では、デジタル印刷物やウェブデザインにおいても、同様のテンプレート機能が活用されています。

現在のマスターページの重要性と使用例

現在、マスターページは印刷業界だけでなく、ウェブデザインや電子書籍制作にも欠かせない機能です。例えば、企業の年次報告書や製品カタログ、パンフレットなどでは、マスターページを活用することで、統一感のあるデザインを効率的に制作できます。また、ページ数が多い雑誌や書籍の制作では、ページ番号や見出しを自動的に反映するため、制作の精度と効率が向上します。

さらに、マスターページを使用することで、後からデザインの変更があった場合も、一括で更新できる利点があります。例えば、企業のロゴやカラースキームの変更があった場合、マスターページを変更するだけで全ページに新しいデザインが反映されるため、時間とコストの削減に貢献します。このように、マスターページは一貫したデザインと作業効率を実現するための重要な機能として、多くの業界で活用されています。

まとめ

マスターページは、複数ページにわたる印刷物のデザインにおいて、一貫したレイアウトと効率的な作業を可能にする基本的な技術です。歴史的には、DTPソフトウェアの登場によりデザインの効率化が進み、現代では電子書籍やウェブデザインにも応用されています。印刷業界におけるマスターページは、品質の高い印刷物の制作を支える重要な要素であり、今後も幅広く活用されていくことでしょう。

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