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メタリック仕上げとは?

印刷業界における「メタリック仕上げ」(ふりがな:めたりっくしあげ、英:Metallic Finish、仏:Finition Métallique)とは、金属のような光沢感や質感を印刷物に施す特殊加工技術を指します。メタリックインクや箔押しなどの技法を使い、豪華で視覚的に印象的な仕上がりを実現します。特に高級なパッケージやプロモーションツールに用いられ、商品の価値やブランドイメージを高めるために活用されます。


メタリック仕上げの概要

メタリック仕上げは、印刷物に金属の輝きを持たせ、高級感を演出するための仕上げ加工です。金色や銀色のほか、青、赤などのカラーメタリック仕上げも可能で、視覚的なインパクトを与えるため、製品パッケージや高級パンフレット、名刺などに多く用いられます。メタリック仕上げは、見る角度や光の当たり方で輝きが変わるため、消費者に強い印象を与えるのが特徴です。

一般的なメタリック仕上げには、メタリックインクを使用した方法、箔押し(ホットスタンプ)による方法、UVニスを活用した方法などがあり、それぞれ異なる質感と光沢を持ちます。印刷物の用途やデザインに応じて、最適なメタリック仕上げが選択されます。

メタリック仕上げの歴史と由来

メタリック仕上げの歴史は、古くから行われてきた金箔や銀箔を使った装飾に端を発します。中世のヨーロッパでは、聖書や宗教書の装飾に金箔を用いた表紙が多く見られ、これは現代の箔押し印刷の原点となっています。これにより、装飾が印刷技術と結びつく形で、豪華さや重要性を表現する技法として進化しました。

20世紀に入ると、メタリックインクが開発され、より効率的かつ経済的にメタリックな表現ができるようになりました。特に広告業界で高級感を求めるニーズに応じ、商品パッケージやブックカバーなどに広く普及しました。現在では、印刷業界でメタリック仕上げは特殊印刷の一部として扱われ、デジタル印刷技術の発展とともに、多様な色や質感でのメタリック表現が可能になっています。

メタリック仕上げの具体的な方法

メタリック仕上げにはいくつかの方法があり、それぞれが異なる仕上がりをもたらします。メタリックインクを使用する方法は、金属粉を含むインクを印刷に用いることで、印刷面に金属のような光沢を持たせます。メタリックインクは、他の色インクと混ぜて使うことで、様々な色のメタリック表現が可能です。

また、箔押し(ホットスタンプ)は、熱と圧力を使って金や銀の箔を印刷物に転写する方法で、際立った光沢が得られます。箔押しはインクを使用しないため、紙面に直接金属の薄膜を貼り付けることで、耐久性が高く、金属の質感がリアルに再現されます。

さらに、UVニスによるメタリック仕上げもあります。UVニスを印刷面の一部に施し、特定部分だけに光沢を与えることで、メタリック感を強調します。この方法は部分的な仕上げに適しており、全体のデザインの中で特定の要素を強調したい場合に用いられます。

現代におけるメタリック仕上げの重要性

メタリック仕上げは、現代の印刷業界において、製品の差別化やブランド価値を高めるための手法として欠かせません。特に高級化粧品や飲料、電子機器のパッケージなど、視覚的な高級感や独自性を求められる商品に使用され、他の商品との差別化に貢献しています。

また、技術の進展により、持続可能な素材や環境に配慮したメタリック仕上げも可能となっており、エコロジーを重視するブランドでも採用が増えています。消費者に対して視覚的なインパクトを与えつつ、ブランドの価値観や製品の魅力を表現する重要なツールとして、メタリック仕上げの需要は今後も拡大が予想されます。

まとめ

メタリック仕上げは、印刷業界で視覚的な高級感や独自性を演出するための重要な技術です。歴史的には金属箔の装飾から始まり、インクや箔押し技術の発展を経て、現代では多彩な方法でメタリックな質感を表現できるようになりました。今後も、技術の進歩と持続可能な素材の活用が進む中で、メタリック仕上げは印刷物における魅力を高める手法として欠かせないものとなっていくでしょう。

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