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巻取り印刷とは?

印刷業界における「巻取り印刷」(ふりがな:まきとりいんさつ、英:Web Printing、仏:Impression en Rouleaux)とは、ロール状の紙を使用して連続的に印刷を行う方式です。この方法は、大量印刷に適しており、新聞、雑誌、広告フライヤーなどの生産で広く使用されています。高速かつ効率的な印刷が可能なため、商業印刷の分野で非常に重要な技術とされています。


巻取り印刷の概要

巻取り印刷とは、ロール紙(巻き取り紙)を使って連続的に印刷を行う方式です。印刷工程が高速であるため、大量生産に向いており、1時間に数万部の印刷が可能なことから新聞や雑誌など、短期間での大量印刷が求められる分野で使用されています。

この印刷方式では、紙がロール状で供給され、印刷機にセットされると自動的に紙が供給されます。そのため、紙の供給が途切れることなく、スムーズに印刷が進行します。また、印刷が完了した紙は次の加工工程(裁断、折り、製本など)に直結して流れるため、生産効率が非常に高いです。

巻取り印刷の種類と用途

巻取り印刷には、主に以下の2つの方式があります。

1. オフセット巻取り印刷: 一般的な商業印刷で使用される方式です。プレートにインクを転写し、その後ゴムブランケットを介して紙に印刷するため、高品質の印刷が可能です。雑誌やカタログ、広告などで広く利用されています。

2. フレキソ巻取り印刷: 柔軟な版を用いた印刷方式で、特に包装材やラベルの印刷に適しています。インクの乾燥が速く、コストが低いことが特徴です。

さらに、巻取り印刷は新聞印刷にも多用されています。特にタブロイド紙やブロードシートの新聞印刷では、印刷スピードが重要であり、巻取り印刷がそのニーズを満たしています。

巻取り印刷の歴史と発展

巻取り印刷の歴史は19世紀にまで遡ります。1830年代、産業革命の影響で大量印刷が求められる中、イギリスで初めてロール紙を使用した印刷機が開発されました。この技術革新により、新聞の大量生産が可能となり、情報の普及が加速しました。

その後、20世紀に入ると、印刷機の技術がさらに進化し、カラー印刷や高解像度印刷が可能なオフセット巻取り印刷が主流となりました。また、フレキソ印刷の技術も開発され、包装業界での巻取り印刷の利用が拡大しました。

デジタル化が進む21世紀では、巻取り印刷の効率が一層向上し、短納期の要求にも応えることができるようになりました。印刷プロセスの自動化やカラーマネジメントの導入により、品質と生産性の両方が向上しています。

現在の巻取り印刷の重要性と活用例

巻取り印刷は現在でも大量印刷の現場で重要な役割を果たしています。新聞業界では、毎日発行される膨大な部数を短時間で印刷するために欠かせない技術です。また、商業印刷においても、カタログやチラシなどの大量生産に対応しています。

さらに、環境への配慮が求められる中、巻取り印刷機には省エネ機能や廃紙削減技術が導入されています。これにより、持続可能な生産体制が構築されつつあります。

まとめ

巻取り印刷は、印刷業界における大量生産を支える重要な技術です。その歴史は長く、技術革新とともに進化を続けています。現在では、高速で効率的な生産を実現すると同時に、環境に配慮した技術が導入されることで、持続可能な印刷の未来を支えています。

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