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印刷業界における日本印刷技術協会とは?

印刷業界における日本印刷技術協会(にほんいんさつぎじゅつきょうかい、Japan Printing Academy / Académie Japonaise des Techniques d'Impression)とは、印刷技術の向上と普及を目的として活動する日本の業界団体です。略称はJAGAT(Japan Association of Graphic Arts Technology)。印刷業界における調査研究や教育活動、技術支援を通じて、業界全体の発展を目指しています。これにより、印刷物の品質向上や新技術の導入が推進されています。


日本印刷技術協会の歴史と役割

日本印刷技術協会は、1967年に設立されました。設立の背景には、戦後復興を経た日本の印刷業界が、国際的な競争力を高めるために高度な技術の普及や標準化を必要としていたことが挙げられます。設立当初から、印刷技術の研究と教育に重点を置き、会員企業や技術者に向けた情報提供や研修を行ってきました。

1980年代以降、デジタル印刷DTP(デスクトップパブリッシング)の普及に伴い、協会の活動はアナログからデジタルへの移行を支援する方向にシフトしました。これにより、業界全体の効率化や品質向上が進められました。また、最近ではサステナビリティやAI技術の導入といった現代的な課題にも取り組んでいます。


日本印刷技術協会の主な活動内容

日本印刷技術協会の活動内容は以下の通りです。

1. 技術研究と情報提供: 印刷技術に関する最新の研究成果や業界動向を調査し、報告書やセミナーを通じて会員に提供します。

2. 教育と研修: 技術者向けの研修プログラムや資格制度を設け、業界の人材育成に貢献しています。特にDTPやカラーマネジメントに関する教育が充実しています。

3. 業界基準の策定: 印刷業界での標準化を進めるため、カラープロファイルや品質管理基準の策定を行っています。

4. 展示会やイベントの開催: 印刷関連技術や製品を紹介する展示会やフォーラムを定期的に開催し、業界内外の交流を促進しています。


日本印刷技術協会の現在の役割

現在、日本印刷技術協会はデジタル化や環境問題への対応において重要な役割を果たしています。特に、サステナブル印刷に関するガイドラインの提供や、エコロジーな印刷技術の普及に力を入れています。また、デジタルマーケティングクロスメディア戦略といった印刷以外の分野との連携も進められています。

さらに、AIやIoTを活用したスマート印刷工場の実現に向けた研究や、デジタルツールを用いた効率的な印刷プロセスの開発支援など、次世代技術の導入支援も行っています。このような活動を通じて、印刷業界全体の競争力を強化し、新たなビジネスモデルの構築を支援しています。


日本印刷技術協会の課題と未来

日本印刷技術協会には以下のような課題があります。

1. 会員企業の多様化: 印刷業界全体の規模縮小やデジタル化の進展に伴い、会員企業のニーズが多様化しており、これに対応する柔軟な施策が求められています。

2. 若手人材の確保: 印刷業界への若手人材の参入が減少しているため、業界の魅力を発信し、次世代の技術者を育成する必要があります。

3. グローバル展開: 国内市場の成熟により、海外市場への進出を支援する取り組みが重要となっています。

未来に向けて、日本印刷技術協会はデジタル技術やAIを活用した業界支援を強化するとともに、エコロジーや持続可能性を重視した取り組みをさらに拡大することが期待されています。また、業界全体のイノベーションを促進し、新しい価値を創出するためのプラットフォームとしての役割を果たしていくでしょう。

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