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リンク切れとは?

印刷業界における「リンク切れ」(ふりがな:りんくぎれ、英:Broken Link、仏:Lien Rompu)とは、デジタル印刷データの中で、配置された画像やフォントなどの外部ファイルが正しく読み込まれず、印刷データ上で表示されない、または不完全に表示される状態を指します。リンク切れが発生すると、印刷結果に影響が出てしまうため、データ管理の重要なポイントとされています。


リンク切れの概要

リンク切れは、印刷物のデータを制作する際に、配置した画像やフォントなどの外部ファイルが、元の場所から移動または削除された場合に発生します。例えば、Adobe InDesignやIllustratorといったデザインソフトでレイアウトを作成するとき、画像やフォントをリンク(参照)して配置することが一般的ですが、ファイルの場所が変わるとリンクが失われ、印刷用データで画像が表示されなくなります。

印刷データでリンク切れが発生すると、仕上がりに重大な影響を与えるため、印刷前に確認・修正することが必須です。リンク切れを防ぐには、リンクされたファイルの管理を徹底し、入稿前に全リンクが有効であることを確認することが重要です。

リンク切れの歴史と由来

リンク切れという概念は、デジタル技術が導入され、DTP(デスクトップパブリッシング)ソフトウェアが普及する中で生まれました。1990年代にDTPが急速に広まると、デジタルデータを用いた印刷物の制作が主流となり、デザインファイルとリンクした画像・フォントの管理が重要になりました。

以前は印刷のほとんどがアナログで行われていたため、リンク切れのような問題は発生しませんでしたが、デジタル時代の到来と共に、複数のファイルを参照するデザインが増え、ファイルのリンク状態を確認・管理する必要性が高まりました。リンク切れが印刷物の品質に直接影響を与えるため、印刷業界でも早期にこの問題への対策が取られるようになりました。

リンク切れの具体的な原因と対処法

リンク切れの具体的な原因としては、ファイルの移動ファイルの削除が挙げられます。リンクしている画像やフォントの保存場所が変更されたり、ファイル自体が削除された場合、デザインソフトはファイルを読み込めなくなり、リンク切れが発生します。また、別のコンピュータにデータを移した際、リンク先のファイルが含まれていない場合もリンク切れとなります。

リンク切れの対処法としては、パッケージ機能の活用が効果的です。Adobe InDesignやIllustratorには、プロジェクトファイルにリンクされた全ての画像やフォントをひとつのフォルダにまとめるパッケージ機能があり、これを使用すると、データを移動してもリンク切れを防ぐことができます。また、印刷前には、デザインソフトのリンクパネルを使って、全リンクが有効かを確認することが大切です。

さらに、印刷会社に入稿する際には、パッケージされたデータを提出するか、PDF形式で入稿する方法が推奨されます。PDF形式は、画像やフォント情報が埋め込まれるため、リンク切れのリスクを大幅に軽減できます。

現代におけるリンク切れの重要性

現代では、リンク切れは印刷業界の品質管理上、非常に重要な問題とされています。デジタルデータの入稿が一般的になった現在、リンク切れのチェックはデータ制作における標準的なプロセスのひとつです。特に高品質な商業印刷では、リンク切れがデザインに影響を与えるため、データ確認が徹底されています。

さらに、クラウドストレージの利用が増える中、リンク切れのリスクが拡大する可能性もあります。クラウド上のデータを直接参照している場合、インターネット接続の問題やファイルの同期エラーでリンク切れが発生することもあるため、ローカルにデータを保存して確認するなどの対策が重要です。

まとめ

リンク切れは、印刷業界におけるデジタルデータ管理の課題であり、印刷物の品質と信頼性を保つために必要なチェック項目です。DTPの発展と共に生まれたこの問題は、ファイル管理やパッケージ機能の活用で防ぐことが可能です。リンク切れを未然に防ぐことは、効率的でミスのない印刷作業に繋がり、今後もデジタル時代の印刷業界における基本的な管理技術として重要視されるでしょう。

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