ビジプリ > 印刷用語辞典 > ら行 > 【輪転印刷】

印刷業界における輪転印刷とは?

印刷業界における「輪転印刷」(ふりがな:りんてんいんさつ、英:Web Printing、仏:Impression Rotative)とは、ロール状の紙を用いて高速で連続的に印刷を行う方式を指します。この方式は、大量印刷を効率的に行うことができるため、新聞や雑誌、カタログなど、短期間で大量の印刷物を必要とする分野で広く活用されています。印刷と同時に折り加工や裁断が行える機能を備えていることが多く、製造プロセスの効率化を実現します。


輪転印刷の概要

輪転印刷は、ロール状の用紙(ウェブペーパー)を使用し、連続的に印刷を行う方式です。以下の特徴があります:

  • 高速印刷:ロール紙を使用するため、1時間に数万部を印刷できるスピードを誇ります。
  • 多機能性:印刷と同時に、折り加工や裁断が可能です。
  • コスト効率:大量生産に適しており、単価を抑えられます。

輪転印刷には主に2つの方式があります:

  • オフセット輪転印刷:版からブランケットローラーを介して印刷を行い、高品質で多色印刷が可能です。
  • フレキソ輪転印刷:柔軟な版を用い、パッケージやラベルなど、特殊用途の印刷に向いています。

これらの方式により、目的や用途に応じた印刷が可能となります。

輪転印刷の歴史と由来

輪転印刷の起源は19世紀半ばに遡ります。1843年にイギリスのリチャード・マーチ・ホーが開発したロータリープレス(回転式印刷機)がその基盤となりました。この機械は、円筒状の版を使用して紙に印刷を施す仕組みを持ち、従来の平版印刷よりも大幅なスピードアップを実現しました。

その後、オフセット技術が導入され、さらに品質が向上しました。20世紀初頭には、新聞印刷に輪転印刷が広く採用され、大量の情報を短時間で配布する手段として重要な役割を果たしました。

現代では、デジタル技術が融合し、輪転印刷機も自動化や高度な品質管理が可能となり、さらなる進化を遂げています。

輪転印刷の現在の使われ方

現在、輪転印刷は以下の分野で幅広く使用されています:

  • 新聞印刷:短期間で大量の部数を印刷し、迅速に配送するための主要な技術です。
  • 雑誌やカタログ:多ページで高品質な印刷が求められる製品に適しています。
  • 広告印刷:大量のチラシや販促用印刷物を効率よく生産できます。

また、輪転印刷はエコ対応が進む現代において、インクや紙の使用量を削減しつつ、品質を維持する技術が開発されています。オンデマンド印刷の需要が増加する中、大量生産と効率性の両立を図る輪転印刷は重要性を増しています。

輪転印刷の注意点

輪転印刷を行う際には、以下の点に注意が必要です:

  • 初期コスト:設備導入やメンテナンスに高い初期投資が必要です。
  • ロットサイズの適合性:大量印刷向けの技術であるため、小ロット生産には不向きです。
  • 品質管理:高速印刷のため、色ムラや版ズレが起きないよう、事前調整が重要です。

まとめ

輪転印刷は、ロール状の紙を使用して大量かつ高速に印刷を行う技術です。その歴史は19世紀に始まり、新聞や雑誌印刷を支える技術として発展してきました。現在では、自動化や品質管理の向上により、効率的で高品質な印刷が可能となり、印刷業界の多くの分野で活用されています。今後も、需要の多様化に対応したさらなる技術革新が期待されています。

▶印刷用語辞典TOPへ戻る



↑ページの上部へ戻る

ビジプリの関連サービス