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印刷業界におけるライトテーブルとは?

印刷業界におけるライトテーブル(ふりがな:らいとてーぶる、英:Light Table、仏:Table Lumineuse)とは、均一な光を発する透明なテーブルの上で、フィルムや印刷物の校正作業を行うための道具です。この装置により、印刷物の色味や透過度、細部の確認が可能になります。ライトテーブルは、デジタル技術が普及する以前から、印刷業界において不可欠な校正ツールとして広く利用されてきました。


ライトテーブルの概要

ライトテーブルは、均一な光を発する光源が内蔵された透明な作業台です。主に、写真フィルムや印刷用フィルム、透明シートの校正、トリミング作業に使用されます。光を透過させることで、細かなディテールや色の濃淡を正確に確認できるため、印刷物の品質向上に役立ちます。

  • フィルムの校正:印刷用のフィルムや写真フィルムをライトテーブルに載せて、色の再現性や細部のチェックを行います。
  • 色味の確認:均一な光源により、印刷物の色味がどのように仕上がっているかを正確に評価できます。
  • 透過度の調整:透明素材を用いる場合、透過度の確認もライトテーブルを利用して行います。


ライトテーブルの歴史と由来

ライトテーブルの起源は19世紀後半にさかのぼり、当初は写真業界で使用されていました。その後、印刷技術が発展する中で、印刷用フィルムや製版工程の校正ツールとして導入されました。特に1970年代から1980年代にかけて、オフセット印刷の普及とともに、ライトテーブルは印刷業界において不可欠なツールとなりました。

「ライトテーブル」という名称は、英語の「Light(光)」と「Table(テーブル)」に由来します。印刷物の品質管理や校正において、光の透過性を利用して細部を確認できるため、色味やレイアウトの正確なチェックが可能です。デジタル化が進む以前は、製版作業や印刷の前工程での最終チェックに欠かせないものでした。


現在のライトテーブルの使われ方

現在、デジタル技術の普及により、印刷工程の多くはデジタルスクリーン上で行われるようになりましたが、ライトテーブルは依然として特定の場面で活用されています。以下は、その代表的な用途です:

  • アナログ写真の現像フィルム写真のネガやポジを確認するために使用されます。
  • アート作品の校正:手作業で作成されたイラストやデザインの透写や修正に利用されます。
  • 印刷物の色校正特に高品質な印刷物を扱う場合、ライトテーブルを用いて色味の最終確認を行います。
  • 建築設計図や技術図面のチェック:透明シートに描かれた図面の重ね合わせ確認にも使用されます。


ライトテーブルの利点と注意点

ライトテーブルの使用には以下のような利点があります:

  • 正確な校正作業:光を透過させることで、色味やディテールを細部まで確認可能。
  • 視認性の向上:均一な光源により、目に負担をかけずに長時間作業ができます。
  • アナログ資料の管理:デジタル化されていない資料やアート作品の校正に適しています。

一方、以下のような注意点もあります:

  • デジタル化の影響:デジタル校正の普及により、ライトテーブルの使用頻度が減少していますが、アナログ素材の扱いには依然として需要があります。
  • スペースの確保:ライトテーブルは大型の機材が多いため、設置スペースが必要です。
  • ランニングコスト:蛍光灯やLEDの交換など、定期的なメンテナンスが必要です。


まとめ

ライトテーブルは、印刷業界で長年使用されてきた校正ツールです。その歴史は写真業界から始まり、印刷物の品質向上に大きく貢献してきました。デジタル技術の進展により、使用頻度は減少していますが、フィルムやアナログ資料の校正など、特定の用途では今なお活用されています。適切に使用することで、印刷物の精度向上や品質管理に寄与する重要なツールであり続けています。

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