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仕上げ指定とは?

印刷業界における「仕上げ指定」(ふりがな:しあげしてい、英:Finishing Specification、仏:Spécification de Finition)とは、印刷物の最終工程で行う加工内容を詳細に指示することを指します。これには、裁断、折り加工、製本、ラミネート、箔押し、エンボス加工などが含まれます。仕上げ指定は、印刷物がデザイン通りに完成するために不可欠であり、クオリティの高い製品を生み出すための重要なステップです。


仕上げ指定の概要

「仕上げ指定」は、印刷物が完成形としてどのような形状や仕上がりになるべきかを明確にするための指示です。印刷が完了した後、さまざまな加工を施すことで、機能性やデザイン性を向上させることができます。

例えば、以下のような仕上げが指定されることがあります:

1. 裁断:印刷されたシートを特定のサイズにカットする。

2. 折り加工:パンフレットやリーフレットなどで必要な折り目をつける。

3. 製本:書籍や雑誌のための綴じ加工を行う。

4. ラミネート:印刷物の表面を保護し、光沢や耐久性を追加する。

5. 特殊加工:箔押しやエンボス加工で視覚的・触覚的な効果を加える。

仕上げ指定の具体的なプロセス

仕上げ指定のプロセスは以下の手順で行われます。

1. デザイン段階での計画:デザイナーやクライアントが、印刷物の最終的な形状や仕上がりを決定します。この段階で、必要な加工内容をリストアップします。

2. 印刷データへの反映:仕上げ指定を反映したトンボ(裁ち落とし線)や折り線などのガイドラインを印刷データに含めます。

3. 加工工程の指示書作成:印刷会社が加工指示書を作成し、各仕上げ工程に必要な詳細を作業者に伝えます。

4. 実際の加工:指定された仕上げ工程を順に実施します。裁断、折り、製本などが含まれ、各工程で精度と品質が確認されます。

5. 最終検品:仕上がった印刷物を検品し、指定通りに仕上がっているかを確認します。不備があれば修正が行われます。

仕上げ指定の歴史と進化

仕上げ指定の概念は、印刷技術が発展した初期の頃から存在していました。活版印刷の時代には、仕上げ工程も手作業が中心であり、職人の技術が重要な役割を果たしていました。このため、加工の指示は職人間での口頭伝達や手書きメモが一般的でした。

20世紀に入り、オフセット印刷やデジタル印刷が普及すると、より複雑な仕上げが可能となり、仕上げ指定も詳細化しました。現在では、デザインソフトを使用して加工内容を明確に指示できるため、作業の正確性と効率が向上しています。

現在の仕上げ指定の重要性と応用

現在、仕上げ指定は印刷業界全体で欠かせないプロセスとなっています。特に、企業のブランディングやプロモーション活動においては、印刷物のデザイン性と仕上がりのクオリティが重要視されます。

また、環境に配慮した仕上げも注目されています。例えば、リサイクル可能なラミネートフィルムや、エコフレンドリーな製本方法の指定が増えています。これにより、企業の持続可能性への取り組みが印刷物を通じてアピールされます。

まとめ

仕上げ指定は、印刷物の最終品質を左右する重要な工程です。その歴史は職人技術に依存していた時代から現代のデジタル技術まで進化してきました。今後も仕上げ指定は、印刷物の品質を高めるために不可欠な役割を果たし続けるでしょう。

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