ビジプリ > 印刷用語辞典 > さ行 > 【背中折り】

印刷業界における背中折りとは?

印刷業界における「背中折り」(ふりがな:せなかおり、英:Saddle Folding、仏:Pliage à la Sellette)とは、冊子や小冊子などの印刷物を中央で折り、ページが順に並ぶようにする製本のための折り加工です。背中折りは特に製本の準備段階で重要な工程で、ページが中央で自然に開き、読みやすい仕上がりになります。現代の印刷業界では、カタログやパンフレット、冊子形式の販促物でよく用いられています。


背中折りの概要

「背中折り」は、複数の印刷用紙を重ね、その中央部分を折りたたむことでページが整列する折り方です。印刷された用紙が綴じられる部分で折られ、冊子や小冊子のような一連のページが形成されます。これにより、製本時にページが中央で自然に開き、内容が見やすい状態になります。特に商業用カタログやパンフレット、会議資料などで利用されることが多く、折り加工と製本の基本的な工程のひとつです。

背中折りの歴史と重要性

背中折りの技術は、書籍や冊子の製本が行われるようになった中世ヨーロッパに遡ります。当時、製本技術の発展とともに、紙を中心で折って整列させる手法が確立されました。これにより、製本がしやすくなり、紙の中央部分で自然に開ける構造が生まれました。

19世紀には、商業印刷の普及とともにパンフレットや小冊子の需要が増加し、背中折り技術も改良されました。印刷機械や折り加工機の発展により、大量の印刷物を短時間で背中折り加工できるようになり、効率が飛躍的に向上しました。現在では、製本機と組み合わせた自動化された背中折り工程が主流となり、大量印刷物に対応できるようになっています。

背中折りのプロセス

背中折りのプロセスは、まず印刷された用紙を順番に重ね合わせるところから始まります。印刷された紙が重ねられた後、中央部分に向けて折り目が付けられます。この際、ページが正確に重なるように位置を合わせることが重要です。折り目が付けられた用紙はその後、ホチキス留めや針金綴じなどの方法で綴じられ、冊子として仕上げられます。

折り加工には、手動で行われるものから、全自動で行われる折り機までさまざまな方法があり、製品の種類や枚数に応じて使い分けられます。特に大量の印刷物を扱う場合は、自動折り機が使われ、正確で効率的な背中折りが可能となります。

現代における背中折りの用途と技術

現代の印刷業界では、背中折りはカタログやパンフレット、会議資料、報告書など、比較的少ないページ数の冊子印刷物で多用されています。製品カタログやメニュー、展示会資料などでは、開きやすくページが整列する背中折りが採用されることで、内容を手軽に閲覧しやすくなっています。

また、近年のデジタル印刷技術や折り加工機の発展により、より精密かつ効率的な背中折りが可能となりました。さらに、厚みのある紙や特殊な用紙を使用する場合でも、正確な折り加工が行えるようになり、デザイン性やブランドイメージを重視した印刷物にも背中折りが取り入れられています。

背中折りの言葉の由来と文化的意義

「背中折り」という言葉は、冊子の「背中」、すなわち中央部分で折りたたむことから生まれました。英語の「Saddle Folding」や仏語の「Pliage à la Sellette」も「鞍」のように折りたたむという意味を含み、中央部分を軸にして折ることを指しています。

この折り方は、製本された印刷物において開きやすさと安定感を提供し、ページが綺麗に並ぶため、閲覧しやすくする役割を果たしています。特にカタログや販促物などで内容がきれいに整理され、見栄えが良くなるため、企業のイメージ向上にも寄与しています。

まとめ

背中折りは、印刷業界で製本を行う際の基本的な折り加工であり、特にページ数が少ない冊子物の製作に適した方法です。中央で折りたたむことでページが見やすく整列し、製品カタログやパンフレットなど多くの用途で重宝されています。現代の印刷機器の進化により、効率的で精密な背中折りが可能になり、さまざまなニーズに対応できるようになっています。背中折りは、今後も印刷物の製本において重要な技術として活用され続けるでしょう。

▶印刷用語辞典TOPへ戻る



↑ページの上部へ戻る

ビジプリの関連サービス