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セッティングボードとは?

印刷業界における「セッティングボード」(ふりがな:せってぃんぐぼーど、英:Setting Board、仏:Table de Réglage)とは、印刷工程で使用する板状のツールで、特に印刷機の調整や見当合わせ(位置合わせ)を正確に行うために使用されます。セッティングボードを用いることで、印刷用紙や版が正確な位置にセットされ、印刷物のズレや位置不良を防ぐことが可能になります。主に高精度な印刷を求められる商業印刷やパッケージ印刷で用いられます。


セッティングボードの概要と目的

「セッティングボード」は、印刷物の位置合わせをサポートするために使われるボードで、印刷用紙や印刷版が正確に印刷機にセットされるように役立ちます。セッティングボードにはガイドラインや目盛りが付いており、印刷物が所定の位置に配置されているかを確認するための基準として利用されます。このツールにより、ズレや傾きを防ぎ、印刷の品質を高めることができます。

特に、色の見当合わせ(複数の色版が正確に重なるように調整すること)において、セッティングボードは重要な役割を果たします。各色の版を重ねる際に微調整を行い、最終的な仕上がりがデザイン通りになるようにすることで、印刷物のクオリティが大幅に向上します。

セッティングボードの歴史と発展

セッティングボードの概念は、印刷機が手動で調整されていた時代にまで遡ります。初期の印刷工程では、職人が手作業で紙や版の位置を合わせていましたが、この作業は時間がかかり、わずかなズレも印刷物の品質に影響を与えるため、より正確な位置合わせツールが求められるようになりました。

20世紀に入り、オフセット印刷が普及する中で、印刷の精度と効率を向上させるためのツールとしてセッティングボードが開発され、利用が広まりました。さらに、デジタル印刷技術が進化する中で、位置合わせの自動化も進んだものの、セッティングボードは手動での微調整が必要な場面で依然として重要な役割を果たしています。

現在のセッティングボードの利用方法と重要性

現代の印刷業界では、セッティングボードは特に精密さが求められる商業印刷やパッケージ印刷で広く使用されています。これらの分野では、デザインが正確に再現されることが求められ、少しのズレでも製品の品質やブランドイメージに影響を与える可能性があります。そのため、セッティングボードを使用して見当合わせを行い、各版の位置がズレなく一致するように調整します。

また、セッティングボードのガイドラインや目盛りを活用することで、印刷オペレーターが用紙や版の位置を迅速かつ正確に確認できます。これにより、印刷準備の時間を短縮し、量産体制における効率化が図られます。特に色の多い印刷や複雑なデザインが要求される場合、セッティングボードによる精密な調整は欠かせない要素です。

まとめ

セッティングボードは、印刷物の位置合わせをサポートし、印刷の精度と品質を保つための重要なツールです。歴史的には職人の手作業から発展し、現代の印刷業界においても高精度な印刷を支える役割を果たしています。セッティングボードの利用により、印刷の効率化と品質向上が実現され、印刷物が持つデザインやブランドの意図を正確に再現できるようになっています。

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