ビジプリ > 印刷用語辞典 > さ行 > 【サイズ設定】

サイズ設定とは?

印刷業界における「サイズ設定」(ふりがな:さいずせってい、英:Size Setting、仏:Réglage de Taille)とは、印刷物の仕上がり寸法を決定するプロセスです。用紙サイズや仕上がりサイズを基に、デザインデータや印刷工程で必要な寸法を調整します。サイズ設定は、仕上がりの美しさや効率的な用紙使用、印刷コストの最適化に関わる重要な工程で、パンフレット、ポスター、書籍など多くの印刷物で必須のステップとなっています。


サイズ設定の概要

印刷におけるサイズ設定は、最終的な印刷物の完成形を決定するために欠かせないステップです。サイズ設定には、仕上がりの用紙サイズ、トリムサイズ(裁ち落としサイズ)、および塗り足し(余白)などの寸法が含まれます。例えば、ポスターやチラシでは、印刷が完了した後の裁断を考慮し、デザインが切れてしまわないように設定します。

このプロセスにより、印刷物が期待通りの寸法で仕上がるだけでなく、用紙の無駄も防ぐことが可能です。さらに、サイズ設定はデザインやレイアウトの美しさにも影響を与えるため、印刷業界において非常に重要です。

サイズ設定のプロセスと方法

サイズ設定のプロセスは、まず完成予定の印刷物の目的や用途に応じて、標準的な用紙サイズ(例えばA4、A5など)やカスタムサイズを選定することから始まります。この際、印刷物の種類(ポスター、フライヤー、パンフレットなど)や内容、用途に合わせた適切なサイズを選びます。

次に、印刷データの制作段階では、トリムサイズ(裁断後の仕上がりサイズ)と塗り足し(用紙の端まで色やデザインが印刷されるための余白部分)を考慮したデザインが求められます。通常、塗り足しは3mmほどの余白を追加して設定されます。この余白があることで、裁断時の微細なズレが生じてもデザインが破綻することなく、美しく仕上げられます。

また、マージン(余白)の設定も大切です。本文や画像が裁断にかからないように余裕を持たせることで、読みやすさや視覚的なバランスが保たれます。印刷ソフトウェア上でサイズ設定を行い、仕上がりイメージを確認することで、最終的なデザインに不備がないかをチェックします。

サイズ設定の歴史と進化

印刷業界におけるサイズ設定は、紙の規格化が進む中で重要性を増してきました。紙のサイズ規格は20世紀初頭から国際的に標準化され、日本でもJIS(日本工業規格)のA判やB判が一般的に用いられています。このように用紙サイズが標準化されたことで、サイズ設定の基準が明確になり、印刷物の製作効率が向上しました。

特に20世紀後半にデジタル印刷が普及してからは、デザインソフトウェアの導入によってサイズ設定が容易に行えるようになりました。Adobe InDesignやIllustratorなどのソフトウェアでは、標準的なサイズプリセットが備わっているため、用紙サイズに合わせたデザインが迅速に作成可能です。デジタル技術の進歩により、サイズ設定も効率化され、印刷の精度と仕上がり品質の向上に貢献しています。

現代のサイズ設定の重要性と使用例

現代の印刷業界において、サイズ設定はコスト管理や効率的な印刷工程のために欠かせない要素です。例えば、大量のパンフレットやフライヤーを印刷する際に最適な用紙サイズと配置を計算することで、用紙の無駄を削減し、コストを抑えることができます。また、企業のブランドガイドラインに沿ったサイズで制作されるカタログや製品ラベルでは、統一感のある仕上がりが実現され、ブランドイメージの一貫性が保たれます。

さらに、最近ではサステナビリティの観点からも、サイズ設定が見直されています。無駄の少ない効率的なサイズ設定は、紙資源の節約や環境保護に寄与し、持続可能な印刷工程の一環として重要視されています。

まとめ

サイズ設定は、印刷物の品質とコスト管理に大きく関わる重要な工程です。用紙サイズの標準化とデジタル技術の進化により、効率的で精度の高いサイズ設定が可能となり、印刷業界の品質向上に貢献しています。今後も、持続可能性の観点からもサイズ設定の重要性は高まり続けるでしょう。

▶印刷用語辞典TOPへ戻る



↑ページの上部へ戻る

ビジプリの関連サービス