印刷業界における新聞之新聞とは?
『新聞之新聞』(しんぶんのしんぶん、英語表記:The Shimbun no Shimbun)は、日本の新聞業界に特化した業界紙であり、新聞社や関連業界の動向、ニュース、情報を提供する専門紙です。その歴史は大正時代に遡り、現在も業界内で重要な情報源として機能しています。
創刊と初期の歴史
『新聞之新聞』は、1924年(大正13年)4月1日に式正次氏によって創業され、同年6月1日に月刊誌として創刊されました。当初は日本電報通信社で金融記者を務めていた式氏が、新聞業界の情報を専門的に扱う媒体の必要性を感じ、創刊に至りました。その後、同年12月には東京市京橋区新肴町に印刷工場を完成させ、日刊紙としての発行を開始しました。
戦前から戦後の展開
創刊当初から、新聞業界の動向を詳細に報じることで、業界内での地位を確立しました。1931年(昭和6年)1月には「出版」欄、1937年(昭和12年)6月には「紙業」欄、同年9月には「印刷」欄を新設し、報道範囲を拡大しました。しかし、1943年(昭和18年)6月には内閣情報局の命令により強制廃刊となりました。終戦後の1946年(昭和21年)3月には復刊し、再び業界紙としての役割を果たすようになりました。
現在の役割と影響
現在、『新聞之新聞』は新聞、出版、印刷、放送、広告業界のニュース報道を中心に、週3回(月・水・金)の頻度で発行されています。業界内の最新情報や動向を提供することで、関係者にとって重要な情報源となっています。また、1940年(昭和15年)には「紀元2600年」を記念して長野県茅野市の蓼科高原に「文化柱」を建設し、当時の日本全国の新聞、雑誌、書籍や知名士の染筆、写真、絵画、ポスター、レコード盤、日用品など6000点余を収納しました。これらは「100年後の子孫への贈りもの」として、2040年元日に開扉される予定です。
復刻版の刊行
2024年5月には、金沢文圃閣より『新聞之新聞』の昭和戦前期の新聞・雑誌・出版メディア内報として復刻版が刊行されました。これは、昭和初期のメディア史を研究する上で貴重な資料となっています。
まとめ
『新聞之新聞』は、日本の新聞業界に特化した専門紙として、創刊以来、業界内外の動向を詳細に報じてきました。その歴史は大正時代から続き、戦前・戦後の激動の時代を経て、現在も業界内で重要な情報源としての役割を果たしています。また、復刻版の刊行により、過去の業界動向を振り返る貴重な資料としても活用されています。