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印刷業界における三方シール製袋とは?

印刷業界における三方シール製袋(さんぽうしーるせいたい、Three-Side Seal Pouch / Sachet à Trois Côtés Scellés)とは、三辺をシール(熱接着)して製造されるの形態を指します。この製袋形式は、食品や医薬品、化粧品など幅広い分野で使用され、軽量かつ密封性が高い点が特徴です。三方シールは、フラットな形状が多く、製造コストを抑えつつ高い保護性能を提供するため、特に小分け包装で重宝されています。


三方シール製袋の歴史と由来

三方シール製袋の起源は、20世紀中盤に遡ります。当時、食品業界を中心に効率的な小分け包装が求められる中で、熱接着技術を利用した簡易包装が開発されました。これが現在の三方シール製袋の原型です。名称の「三方シール」は、袋の三辺が熱シールによって封止されている構造から名付けられました。

特にインスタント食品やスナック菓子の普及に伴い、三方シール製袋の需要は急増しました。その後、医薬品や化粧品業界でも、製品を小分けし密封性を確保する手法として採用され、今日では多岐にわたる分野で利用されています。

三方シール製袋の特徴

三方シール製袋には以下のような特徴があります。

1. 高い密封性: 三辺がシールされているため、内容物を外部環境(湿気、酸素、光)から保護する性能に優れています。

2. シンプルな構造: シール部分が三辺のみであるため、製袋工程が比較的簡単で製造コストを抑えられます。

3. 軽量かつコンパクト: フラットな形状により、輸送効率が高く、保存スペースも最小限で済みます。

4. 多用途性: 食品、医薬品、化粧品、工業製品など、さまざまな製品の包装に対応可能です。特に小分け包装に適しています。

三方シール製袋の用途

三方シール製袋は、以下の用途で広く活用されています。

1. 食品包装: スナック菓子、レトルト食品、インスタントスープ、調味料など、日持ちや密封性が求められる食品に使用されています。

2. 医薬品包装: 錠剤や粉末薬、サプリメントなどの小分け包装で用いられ、取り出しやすく衛生的です。

3. 化粧品包装: サンプルサイズのクリームや美容液、シャンプーなど、少量の液体やジェルの包装に最適です。

4. 工業製品包装: 粉末や粒状の化学製品、乾燥剤など、湿気を嫌う製品の包装にも採用されています。

三方シール製袋の製造工程

三方シール製袋は、以下の工程を経て製造されます。

1. 印刷: 包装用フィルムにブランドロゴや製品情報を印刷します。フレキソ印刷グラビア印刷が一般的です。

2. 製袋: フィルムを折り曲げて袋の形状を形成し、三辺を熱シールします。

3. 充填: シールされていない開口部から内容物を充填します。固体、粉末、液体など、内容物に応じた設備が使用されます。

4. 最終シール: 最後の開口部を熱シールして袋を完成させます。

三方シール製袋の課題と未来展望

課題: 三方シール製袋は、その構造上、容量が限定されるため、大型製品の包装には不向きです。また、プラスチックフィルムを主素材として使用するため、環境負荷が問題視されています。

未来展望: 今後は、環境に配慮したバイオマス素材や生分解性フィルムの使用が進むことで、三方シール製袋の持続可能性が向上すると期待されています。また、スマート包装技術(QRコードやセンサーの組み込み)との融合により、利便性や機能性が一層高まるでしょう。

三方シール製袋は、そのシンプルで高性能な特性から、現代の包装技術において重要な役割を果たしています。これからも環境配慮型の技術と組み合わせて進化を続けることで、多様な産業のニーズに応え続けるでしょう。

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